22日朝、ラヴァ・ジャット作戦第23弾(LJ23)が敢行され、ルーラ前大統領やジウマ大統領の選挙を担当した労働者党(PT)の選挙参謀、ジョアン・サンターナ氏にも逮捕状が出される事態となり、政界を震撼させた。22日付伯字紙サイトが報じている。
今回のLJ23は、サンパウロ州、リオ、バイア州を拠点にして行われ、51の令状が出された。内訳は家宅捜索と物件押収38件、拘留期限が指定されていない逮捕2人、(サンターナ氏を含む)6人の一時逮捕、5人からの事情聴取となっている。
今回のLJの軸となるのは、建設最大手オデブレヒト社が2012~13年に、サンターナ氏夫妻が実質所有するオフショアのクリエンフェウド社とイノヴェーション・サービス社の国外口座に送った300万ドルなどの贈賄疑惑だ。この件に関し、オデブレヒトとサンターナ氏の間を仲介したと見られるオペレーターのズウィ・スコーニキ氏が逮捕された。
同件に関しては13日付本紙でも報じたように、ペトロブラスとも巨額契約を結んでいるシンガポールの造船業者ケッペル・フェルズのロビイストでもあるズウィ容疑者の自宅で、サンターナ氏の妻で共同経営者のモニカ・モウラ氏が送った書類が見つかり、注目されていた。手紙には米国と英国の二つの口座についての記述があった。
この件でモニカ・モウラ氏にも一時逮捕の令状が出された。だが、サンターナ夫婦は現在、ドミニカの大統領選で左翼系候補の選挙参謀の仕事で同地に渡っており、まだ逮捕されていない。サンターナ夫妻は国際警察の指名手配者リストに掲載される。
今回の捜査は、オデブレヒト社とズウィ氏、サンターナ氏の三角関係を軸に進められている。連邦警察は、昨年7月に逮捕されたオデブレヒト社元社長マルセロ・オデブレヒトの携帯電話のメッセージの中から、「スイスの口座に言及すると、彼女のキャンペーンにまで事が及ぶぞ」との言葉を見つけており、捜査の結果、サンターナ氏にたどりついた模様だ。
サンターナ氏はルーラ前大統領が再選された2006年の大統領選や、10年、14年のジウマ大統領の選挙参謀もつとめており、ジウマ氏の顧問的な役割も果たしている。同氏はPTのみならず、中南米やアフリカでも左翼系大統領候補の選挙参謀をつとめているが、それらの国ではオデブレヒトの大型事業も行われている。
ジウマ氏は、再選した14年選挙で、同選挙を争ったアエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)から、選挙違反疑惑で高等選挙裁判所に訴えられており、同裁判所が違反と見なせば、大統領とミシェル・テメル副大統領の当選が無効になる可能性もある。
タグ:ペトロブラス PT PSDB PSD ルーラ 写真ニュース ジウマ大統領 ラヴァ・ジャット バイア