「車椅子の副大統領」としても知られるアルゼンチンのガブリエラ・ミケッティ副大統領が23日、ブラジリアで最大野党の民主社会党(PSDB)のアエシオ・ネーヴェス党首との面会を果たした。
ミケッティ氏は、昨年12月に新大統領となったマウリシオ・マクリ氏と共に、副大統領に就任した。同氏は1994年に起きた交通事故で下半身不随になりながらも、ブエノス・アイレス副市長や下院議員、上院議員を歴任してきた。年齢もまだ50歳と、副大統領としては若い年齢だ。
ミケッティ氏は23日にブラジルを訪れ、ジウマ大統領やミシェル・テメル副大統領と副大統領就任後の初対談を行ったが、その前に、2014年の大統領選で敗れたアエシオ氏と、そのときの副候補で、上院の国防・外交委員会委員長でもあるアロイージオ・ヌーネス氏とも面会した。
奇しくもミケッティ氏は、マクリ氏の大統領就任を控えた昨年11月、ジウマ大統領について、「国民に恐怖心を植え付けることで、14年の大統領選に勝利した」と批判していた。
14年選挙でのジウマ氏は、前任のルーラ前大統領と共にキャンペーンを行い、貧困者の多いバイア州など北東部で演説を行った際、「PSDBが政権をとれば、(北東部の国民の依存率が高い社会政策の)ボウサ・ファミリアがなくなるかもしれない」と語った。ルーラ氏に至っては、PSDBの大統領であったカルドーゾ氏を「悪魔」とまで呼んでいた。
マクリ氏は企業家出身で保守派政党「共和提案」を率いており、企業家に支持の高いPSDBとは共通点がある。
また、マクリ氏は大統領選で、ルーラ氏やジウマ氏が懇意にしていた左派のクリスチーナ前大統領の後継者のダニエル・シオリ氏を破って当選を果たしている。同氏は就任直後、南米での左派政権林立の元を築き上げ、ルーラ政権以降はブラジルとの結びつきが更に強まったベネズエラへの徹底した批判も行った。
今回の訪問では、政治的な対立の話などは聞こえて来ていないが、アエシオ氏は現在、14年大統領選でのジウマ陣営の不正を疑って選挙高等裁判所に訴えている。
ミケッティ氏の訪問前日の22日には、ルーラ氏やジウマ氏の選挙参謀だったジョアン・サンターナ氏に収賄容疑などで逮捕令状が出、23日に逮捕されている状況下、ミケッティ氏の脳裏に何が去来したかが気になる初訪問だった。(23日付フォトス・プブリカスなどより)
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