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サンターナ=夫人が国外での金受領認める=「国外選挙での献金だった」=巨額の申告漏れも明らかに=連警は賄賂と見て捜査継続

 ラヴァ・ジャット作戦第23弾で23日に逮捕された労働者党(PT)選挙参謀のジョアン・サンターナ容疑者の妻で共同経営者のモニカ・モウラ容疑者が24日、パラナ州連邦警察で、「国外の口座に送金された300万ドルは、国外での選挙キャンペーンで生じた負債分を埋めるためのオデブレヒトから献金だった」などと供述し、秘密口座の存在や金の授受を認めた。だが、その内容は大いに不審点の残るものとなった。25日付伯字紙が報じている。

 モニカ容疑者は、スイスにある、サンターナ夫妻のオフショア「シェルビル・ファイナンス」名義の口座で受けた300万ドルの振込みは、サンターナ氏がアンゴラやパナマ、ベネズエラで行った大統領選キャンペーンへの献金(裏金)だと釈明した。振込みは12年4月から13年3月に行われており、サンターナ氏はこの期間中、アンゴラとベネズエラでの大統領選に絡んでいる。
 さらに、13年9月から14年11月に行われたロビイストのズウィ・スコルニキ容疑者からの450万ドルの入金も、国外での選挙に関するものだと供述した。この額には、14年のジウマ氏の大統領選期間中に支払われた150万ドルも含まれている。この時期に該当する国外選挙は、同年に行われたパナマの大統領選だ。
 サンターナ夫婦の弁護士をつとめるファビオ・トフィク・シマントブ氏は、「2人が犯した過ちは、国外での資産を申告し忘れていたこと」で、その他の点では違法性はないと語っているが、夫婦が申告し忘れたという国外受領額は3千万レアルに相当する。
 サンターナ夫妻は、前述のシェルビルなど、国外にある企業5社の共同経営者になっているが、シェルビル以外の四つに関する国外での収入は、ラヴァ・ジャット作戦の捜査が社会的に大きなものになりはじめた後の昨年11月に、2010~14年分をまとめて申告した。ただ、シェルビルについては、現在まで、何も申告されていない。
 現在注目されているのは、サンターナ氏への送金が14年のジウマ大統領の選挙キャンペーン用の賄賂か、ペトロブラス(PB)絡みの賄賂ではないのかという点だ。
 フォーリャ紙によると、連邦警察は、サンターナ氏への送金は、ズウィ容疑者がPBやその子会社のセッテ・ブラジルと交わした大型契約に関するPTへの謝礼賄賂と見ている。同容疑者がロビイストをつとめるシンガポールの造船企業ケッペル・フェルスとPBは、ルーラ政権の頃、岩塩下層の油田開発のための石油掘削船の大型契約を結んだ。また、同社関連でのズウィ容疑者の活動はブラジル国内に限られており、PB元役員のペドロ・バルスコ被告もズウィ容疑者がPB役員やPTに賄賂を送金していたと供述している。