上院が24日、岩塩層下の油田開発で、ペトロブラス(PB)は鉱区選択などの優先権を持つが、入札や採掘に強制的に参加する必要はないとする法案を承認したと25日付伯字紙が報じた。
同案の提唱者は民主社会党(PSDB)のジョゼ・セーラ上議で、報告官は民主運動党(PMDB)のロメオ・ジュカ上議が務めた。
現行法下でのPBは、唯一の岩塩層下の油田採掘業者で、入札に応じる企業体(コンソーシアム)にも、最低30%の資金参加が義務付けられている。採掘した原油は国の資産となり、PBを含む企業体への生産報酬は国から支払われる。
一方、今回承認された法案では、PBは国家エネルギー政策審議会(CNPE)から通達を受けた後、30日以内に、該当する鉱区開発に参加するか、どの鉱区を開発するかを選択する権利を与えられるが、企業体への参加義務はない。
鉱区開発権は最高値で入札した企業体に与えられ、採掘された原油に関する権利は各企業体が有す。ロイヤリティや税金は、原油価格に応じ、国が請求する事になる。
PBが油田開発に強制的に参加する事はルーラ政権が定めたもので、労働者党(PT)議員らは今回、国の資産を多国籍企業に渡す事になると反対した。
だが、現行法ではPBの負担が大きく、鉱区開発も滞りがちだった。また、ラヴァ・ジャット作戦開始後、世界一大きな負債を抱える石油企業に転じ、株式や傘下の企業売却などを強いられているPBは、新しい油田開発などへの投資を削減せざるを得ずにいる。
同法案は今後、下院で審議されるが、専門家らは、油田開発への参加や鉱区選択に優先権が保証されるなら、PBは参加義務から解かれて経営再建を優先する事が出来る上、PBが経済的に困窮した事で滞っていた開発も前進すると判断。財政再建で投資増額が可能になれば、全ての入札への参加も再開出来ると肯定的に受け止めている。
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