【リオデジャネイロ共同】2005年に静岡県湖西市で女児=当時(2)=が死亡した交通事故で、ブラジルで過失致死罪に問われ、禁錮2年2月の判決を受けた日系人パトリシア・フジモト被告(41)が、特別抗告などの措置を期限の25日までに取らなかったことが26日、分かった。連邦検察庁や在ブラジル日本大使館によると、判決が確定する。
検察側にも異議申し立て期間があるが、申し立てはしない見通し。
被告は事故直後にブラジルへ出国。日本政府が代理処罰(国外犯処罰規定による訴追)を要請し、ブラジルで起訴された。曲折を経た裁判は、事故から10年以上がたってようやく終結する。
これまでの判決などによると、フジモト被告は05年10月17日、軽乗用車で湖西市の交差点に赤信号で進入し、山岡理恵さん(50)=同市=の乗用車と衝突。山岡さんの長女理子ちゃんが死亡し、山岡さんも負傷した。
一審では13年に禁錮2年2月(実際には1年間の社会奉仕活動)の有罪判決が言い渡されたが、14年4月の控訴審判決は禁錮2年に減刑した上で、「禁錮2年以下」に相当する罪の時効が成立したと判断した。
検察側が上告し、連邦高裁が昨年9月、控訴審判決を破棄。一審判決を支持する決定をしたため被告が異議を申し立てたが、連邦高裁が今月、棄却した。