ホーム | ビジネスニュース | 航空会社=国外資本参加率が増加へ=上限49%に変更のMP署名=不況各社は歓迎の意示す
航空各社は苦境を脱せるか?(Paulo Pinto/Fotos Publicas)
航空各社は苦境を脱せるか?(Paulo Pinto/Fotos Publicas)

航空会社=国外資本参加率が増加へ=上限49%に変更のMP署名=不況各社は歓迎の意示す

 ジウマ大統領が1日夜、航空会社への国外資本参加率の上限を20%から49%に引き上げる暫定令(MP)に署名したと、2日付エスタード紙が報じた。
 同件は航空業界の長年の宿願で、議会でも10年以上に渡って議論されてきた案件だった。この暫定令は、航空各社が、不況による収入低下とドル高レアル安による支出増大に苦しむ最中に署名された。
 政府側の目的は、国外投資を航空産業に呼び込み、競争力を高める事で、民間航空監督庁(ANAC)のマルセロ・グアラニィス局長も「この暫定令は航空業界部門が競争力を高めるのに有益だ」と語っていた。
 エドゥアルド・サノビッツブラジル航空会社協会(Abear)会長は1日、この変更でブラジルの基準は国際的な基準に近づいたとし、「国内の規制や基準を諸外国と同じ水準に合わせるための暫定令は全て、我々の賛同を得て発表されている」と語った。Abearは、TAM、Gol、Azul、Aviancaなど大手航空各社の利害を代表する団体だ。
 サノビッツ会長は「手荷物だけの乗客には安くチケットを販売できるような、低コストの航空機を作るための行程表を残しておく事が重要だ」とも述べている。
 リカルド・ノゲイラブラジル一般航空協会(Abag)会長も今回の暫定令を評価し、「4半期毎に赤字決算を繰り返している航空各社には救いの手になり得る」と語った。
 昨年の航空各社は売り上げ減少、コスト増大のダブルショックで、史上最大の赤字を計上。15年1月~9月に計上した赤字額は、TAM、Gol、Azul、Avianca合わせて37億レアルに達していた。
 今回の暫定令の目的の一つは、短距離路線を中心とする地方路線の活性化だ。政府は4年前も短距離路線活性化のための政策を打ち出したが、これらの政策が日の目を見ることはなかった。
 国外資本の参加率を49%に制限する事で、政府は航空会社の独立性を守る事も意図している。政府内には資本参加率撤廃を叫ぶ声もあったが、大統領府は航空業界は戦略的な部門の一つだと主張し、上限に固守した。