2日、エドゥアルド・クーニャ下院議長(民主運動党・PMDB)がラヴァ・ジャット作戦(LJ)に関与したとの起訴状を受理するか否かに関する報告と投票が連邦最高裁で行われた。2日は6人の判事が投票し、この時点で全体の過半数(11人中6人以上)を超え、クーニャ氏がブラジル史上初の現職下院議長で被告となることが決定。審理は3日、10対0で終了した。3日付伯字紙が報じている。
3日付フォーリャ紙によれば、今回の審理の対象はロドリゴ・ジャノー検察庁長官が昨年8月に提出した、「ペトロブラス(PB)が2006~7年にサムスン重工業や三井と石油掘削船の建設と運用で10億ドルの契約を結んだ」件で、クーニャ氏が500万ドルの収賄と資金洗浄を行った容疑に関する起訴状だ。
検察は、クーニャ氏は2010年頃から賄賂の受け取りを要求し始めており、契約当初に交わされた総額4000万ドルの贈賄の約束にも絡んでいたと見ている。15年8月5日付G1サイトによれば、三井側は昨年8月の議会調査委員会で、「掘削船建設はサムスンが行い、三井はPBと共に船を取得、運用したが、贈賄行為は行っていない」と弁明した。
最高裁でLJ絡みの審理の報告官を務めるテオリ・ザヴァスキ判事は、契約締結時の06~07年にクーニャ氏が介入した形跡は認められないとした。だが、2011年にソランジェ・アルメイダ氏(当時の下議、現リオ・ボニート市市長・PMDB)と共に下院の委員会に働きかけ、サムスン、三井両社の仲介役のトーヨー・セタル関係者でロビイストのジュリオ・カマルゴ被告に圧力をかけ、500万ドルを支払わせた形跡がある、と報告した。
報告後にクーニャ氏、ソランジェ氏双方に対する起訴内容を受け入れるか否かの判事投票が行われた。テオリ判事が「起訴状受理」に投じると、この日票を投じた5人の判事が全員続き、残り5人の判事投票を待たずして過半数となった。これで、クーニャ氏が被告となることが決定した。
票を投じたのはカルメン・ルシア、マルコ・アウレーリオ、エジソン・ファキン、ロベルト・バローゾ、ローザ・ウェバーの5人で、全員がクーニャ氏の弁護側が引き伸ばし工作を行うのを恐れ、投票を早めた。
これで、1988年の憲法改定以降初めて、現職の下院議長が裁判の被告となることになった。
弁護側は、「具体的な証拠が出ていない」として、最高裁の投票結果を批判している。
なお、クーニャ氏は昨年10月、スイスにある秘密口座の存在が自身のサインと顔写真入りで暴露されて大きな話題を呼んだが、その元となったアフリカはベナンでのPBの事業契約での贈収賄問題に関する起訴状の受理は今後の審理となる。
タグ:ペトロブラス PMDB 写真ニュース ラヴァ・ジャット