14年初頭から深刻な水危機に直面していたサンパウロ州で、ジェラウド・アウキミン知事が7日、「水危機は解消」と宣言したと同日付G1サイトや8日付伯字紙が報じた。同知事は「カンタレイラ水系の貯水率は約60%、アウト・チエテ水系も40%に回復したから、干ばつが4~5年続いても大丈夫」と保障した。
国家水資源庁とサンパウロ州水資源・エネルギー局も同日、14年5月以降、2度にわたってサンパウロ州水道公社に認めた「未開の水域」の取水許可(18・5%相当の1825億リットルと、10・7%に当たる1050億リットル)を取り消した。
カンタレイラ水系の貯水量は15年12月30日に「未開の水域」に依存する状態から脱出し、その後の雨量も、1月が248・4ミリ、2月も236・4ミリ、3月は8日間で103・6ミリと順調だ。
同知事の発言は、現在工事中または計画中のカンタレイラ、アウト・チエテ両水系の補強策を念頭に入れている。カンタレイラ補強策は、バルエリ、カラピクイーバ、コチアなどに給水するためのカショエイラ・ド・フランサ貯水池(イビウーナ市、サンロウレンソ水系)建設と、南パライバ川流域のジャグアリー貯水池とアチバイーニャ貯水池を繋ぐ工事で、17年10月と4月に完成の予定だ。アウト・チエテ水系では、イタパニャウ川の水をビリチバ・ミリン市内で貯水する計画があるが、こちらはまだ環境許可取得段階だ。
また、カンタレイラの貯水率約60%(7日現在58%、8日は58・8%)というのは「未開の水域」を加えた数字で、旧基準での8日の貯水率は29・5%だ。
同知事の発言後、市民からは「断水はまだ続いており、危機解消とは信じ難い」との声が上がった。一部の専門家も「13年のカンタレイラはこの時期に57%の水を蓄えていたし、平年もこの時期は30%を越える。雨の時期は間もなく終わるし、危機解消宣言は時期尚早」と見ている。