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サンパウロ州=対女性暴力犯罪の告発減少=MDP法有効もなおも課題

 サンパウロ市にある女性専門の裁判所で受け付けた、女性に対する暴力事件での告発件数が15年は前年より12%減ったと8日付伯字紙が報じている。
 8日の「国際女性デー」に合わせて発表された資料によると、家庭内暴力に関する調書数は1万4476件が1万3573件に、告発に至った数も6421件が5659件に減った。
 検察官のガブリエラ・マンスール氏は、女性への暴力犯罪を規定した「マリア・ダ・ペーニャ法」を基に、女性への暴力撲滅へのキャンペーンの結果と分析している。
 サンパウロ州地裁元判事のジョゼ・アマード・デ・ファリア氏も「マリア・ダ・ペーニャ法後、被害者女性が警察に訴えるのをあきらめなくて済むようになった」と、同法の存在を高く評価している。
 だが、テレーザ・クリスチーナ・カブラル判事によると、「訴えがあったが告発に至ったのは半数以下」で、被害者からの証言が余り高く評価されていない事を懸念する。弁護士のプリシラ・ヴェルダスカ氏も「告発に至るには具体的な証拠が必要」とし、「被害者は証言するだけで終わることが多い」と現状を分析している。
 なお、女性に対する暴力での告発数は減っているが、加害者の男性に出される女性への接近禁止処分は増加している。