9日、インターネットに、13日にブラジル全土で行われる予定の、連邦政府やジウマ大統領、ルーラ前大統領に反対するマニフェスタソン(抗議デモ)への参加を呼びかける、芸能界代表の一団のCMがあがり、話題を集めている。
このCMは15秒で、ブラジルのノヴェーラではおなじみのベテラン女優スザーナ・ヴィエイラや、ノヴェーラでは主演級女優のジュリアナ・パエス、日系人女性ファッション・モデルのダニエリ・スズキ、男性モデルのマルヴィーノ・サルヴァドール、俳優のマルセロ・セラード、司会者で俳優のマルシオ・ガルシア、80年代のロックスターで現在コメディ俳優のエヴァンドロ・メスキータらが、「ブラジルは誰のもの?」「ブラジルを穴だらけにしておいてもいいの?」といった短いメッセージを発し、最後に、13日の参加を呼びかけている。
ブラジルの芸能関係者は、他の欧米諸国同様にリベラル派が多く、現在与党の労働者党(PT)支持者も少なくない。
だが、14年から引き続くラヴァ・ジャット作戦の捜査が過熱し、PTをはじめとした連立与党政治家が多く絡んでいることが次々に判明。ルーラ、ジウマ両大統領の大統領選を担当した選挙参謀が逮捕され、さらに、ある時期までは「ブラジルの繁栄を築き上げた」と国民から絶大な人気のあったルーラ前大統領までが、連邦警察から事情聴取を受けて世界的なニュースとなるなど、国民の間の不信感が急速に高まってきているため、芸能界も黙ってはいられなくなったようだ。
ブラジル国内ではお茶の間の顔的な存在の人たちの呼びかけがどれだけ意味を持つかは13日を待つしかないが、風雲急を告げる事態になってきていることには間違いない。(9日付ヴェージャ誌サイトなどより)
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