パラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事は8日、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)第14弾で逮捕した、ブラジル最大手の建設会社のオデブレヒト社前社長のマルセロ・オデブレヒト被告らに対し、贈賄、資金洗浄、犯罪組織形成により19年4カ月の実刑判決を言い渡した。9日付伯字紙が報じている。
オデブレヒト被告は15年6月にラヴァ・ジャット作戦第14弾により逮捕された。同被告が関与したのは、贈賄で1億800万レアル及び3500万ドル、資金洗浄で1600万ドル及び190万スイス・フランに及ぶと見られている。
同被告は2006年頃から、他の建設企業とカルテルを組み、ペトロブラス(PB)との事業契約などで不正入札を行っていた。
今回の裁判の対象は、パラナ州のジェツリオ・ヴァルガス製油所、ペルナンブッコ州のアブレウ・エ・リマ製油所、リオ州石油化学コンビナートの建設に関する入札での不正だ。これらの事業は、ルーラ、ジウマ両政権の経済活性化計画(PAC)の中でも10大計画に数えられているほど規模の大きなものだ。
また、PBからブラスケン社へのナフサ(粗製ガソリン)の売買取引でも、オデブレヒト被告らが贈収賄や資金洗浄に絡んだとされている。
オデブレヒト被告はオフショアを利用し、これらの契約にたずさわったPB役員(元供給部長のパウロ・ロベルト・コスタ被告、元サービス部長のレナト・ドゥケ被告、同部課長のペドロ・バルスコ被告)がニューヨークやスイスのジュネーブなどに持っていた秘密口座に贈賄を行った。
PBの事業契約では、担当する部署の役員と共に、彼らを指名した政治家や政党に対し、契約金の1%から3%の賄賂が支払われていたとされている。コスタ被告らの報奨付供述によると、労働者党(PT)が3%、民主運動党(PMDB)が2%、進歩党(PP)が1%だった。
この日は、同じく19年4カ月の実刑判決となった同社元理事のマルシオ・ファリア被告をはじめ、オデブレヒト幹部計5人に実刑判決が下されたほか、前述のPB役員らにも刑が言い渡された。
ここ数日、PTの選挙参謀だったジョアン・サンターナ容疑者らと贈収賄の交渉を行ったと見られ、オデブレヒトの贈収賄工作の表などを保管していた同社社員マリア・ルシア・ギマランエス・タヴァレス容疑者が、報奨付供述に応じる可能性が取り沙汰されており、今後の行方が注目されている。