サンパウロ州検察局がルーラを起訴=高級三層住宅巡る疑惑で=名義詐称や資金洗浄疑う=連邦政府は秘策も検討?
サンパウロ州検察局は9日、ルーラ前大統領(労働者党・PT)を、サンパウロ州グアルジャーの高級三層住宅(トリプレックス)に関し、資金洗浄と名義人詐称の容疑で起訴した。裁判所がこれを了承すればルーラ氏は被告となるが、一方で、ルーラ氏を連邦政府の閣僚にしてしまうことで捜査や告発を逃れさせようという動きが存在することも明らかとなっている。10日付伯字紙が報じている。
ルーラ氏の容疑は、グアルジャーのコンドミニアム「ソラリス」内にあるトリプレックス164―Aの実質的な所有者であるのに、その事実を詐称、資金洗浄などを行っていたというものだ。同件では、夫人のマリーザ氏、長男のルリーニャ氏も起訴を受けている。
ルーラ氏側の言い分では、マリーザ氏は05年に4万7千レアルで、バンコープ社からソラリス内のアパートの一室の購入権を買ったが、最終的に購入を諦めたという。バンコープ社はソラリス建設中に経営破綻し、OASがその後の工事などを継続、所有権も同社に移った。
OASは164―Aを100万レ近くかけて改築、改装し、ルーラ氏やマリーザ氏がOAS社長と共に同地を訪れたりしたこともあったとされるが、マリーザ氏は15年11月に、正式に164―A購入を諦める旨、通達した。
164―Aは現在、OASの名義だが、検察局によると、「ソラリス」内の住居の購入者は一様に、購入時点でどの住居かが決まっていたとし、広告には「ルーラ大統領も住んでいる」と書かれていたという。検察は、09年にバンコープから建設工事を引き継いだOASが14年4~9月に改修工事を行ったのは、ルーラ氏が164―Aの事実上の所有者だったからにほかならず、資産を隠すためにOAS名義にしたと見ている。
この件では、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)で16年の実刑判決を受けたOAS共同経営者のレオ・ピニェイロ被告や、バンコープ元社長でPT元中央会計、LJで既に15年の実刑を言い渡されたジョアン・ヴァカリ・ネット被告らも起訴されている。
サンパウロ州地裁がこの起訴状を受理すれば、ルーラ氏は被告となる。ルーラ氏はこれ以前に、サンパウロ州検察局の捜査はLJを取り仕切る連邦検察庁の捜査と重複するとして最高裁に両検察の捜査打ち切りを求めていたが、ローザ・ウェバー最高裁判事は双方の検察に対する捜査打ち切り請求を却下した。
また9日、伯字メディアで「ルーラ氏逮捕を避けるため、連邦政府が同氏を閣僚として迎えようと画策している」との報道がかけ巡った。現在のルーラ氏は公人扱いで、公職政治家が持つ裁判特権がないために、地裁レベルでの逮捕や裁判が可能な状態にいる。
だが、ルーラ氏は同日朝のレナン・カリェイロス上院議長らとの朝食会の席上、閣僚就任の意思はないとして、噂の内容を否定したという。