議会が金融取引暫定納付金(CPMF)の復活を承認しなかった場合に備え、連邦政府が新たなる増税を検討していると11日付エスタード紙が報じた。政府の経済政策チームの一人は「我々は全ての税制を洗い直している」と語っている。
今年度予算はCPMF復活による100億円の税収を見越しているが、ラヴァ・ジャット(LJ)作戦の進展により、CPMFの復活の可能性は少なくなっている。CPMF復活が閉ざされた場合は税収が大幅に減り、国庫にとって大きな打撃となる。
「CPMFが承認されなくても、何もしないでいるわけにはいかない」と情報筋は語る。しかしその場合は穴埋めの財源を見つけなくてはならない。
CPMF承認が困難な現状、最も現実的なプランは、議会の承認なしに税率を上げられる工業製品税金(IPI)や、金融取引税(IOF)の税率を上げることだ。これらの税は大統領令だけで引き上げることができる。政府は今年既にこの方策を取っており、5品目のIPIが上昇している。
社会統合基金(PIS)と保険融資納付金(Cofins)引き上げのためには法改正が必要となるが、施行は議会での承認から90日後になる。国民にとって、最も負担が重いのは所得税増税だが、これは早くても来年からしか行われない。
財政を立て直すために増税するという考えは、連邦政府だけでなく、州政府、各自治体も一致した考え方だ。今年に入って既に、19の州と連邦直轄区で増税が行われた。増税の対象となったのは、商品流通サービス税(ICMS)や車両税(IPVA)、相続税、贈与税などだ。ガソリンも多くの州で増税の標的となっている。
市場関係者の間では、この不況下では、増税は必ずしも望んだ通りの結果につながらない可能性があると囁かれている。「経済は減速化しており、すべての経済活動の局面において売り上げや収益が上がっていない中で増税すれば、逆の効果が生じうる」とジェトゥリオ・ヴァルガス財団のタチアーニ・ピッシテッリ教授は語った。