サンパウロ州各地は10~11日に強い雨に見舞われ、大サンパウロ市圏や内陸部など、少なくとも5市で18人が死亡したと11日付伯字紙サイトが報じた。
11日15時現在の報道によると、死者が出たのはフランシスコ・モラト(10人)、マイリポラン(4人)、イタチバ(2人)、グアルーリョスとカジャマル(各1人)だ。
大サンパウロ市圏の近郊電車(CPTM)の駅では線路が冠水するなどして、乗客がホームに座り込む姿が見られ、グアルーリョス国際空港も一時閉鎖された。サンパウロ市内を流れるピニェイロス川とチエテ川も水が溢れた他、高速道路の脇の崖が崩れるといった被害も出た。
サンパウロ市北部サンタナの観測所での雨は、11日未明だけで64・4ミリ、10~11日の24時間では月間平均降水量の40%に相当する87・2ミリの雨が降った。
ソロカバ市でも11日未明に61・6ミリ降っており、イタピラ、バルエリ、ピラシカバ、タウバテの各市でも、31・8~46・4ミリの雨を記録した。
フランシスコ・モラト市では市内4カ所で土砂崩れが起き、倒木や洪水も各地で見られた。土砂崩れによる死者は10人に及び、5歳の少女は倒壊家屋の下敷きとなり、救出された現場で片足切断という重傷を負った。
マイリポランでは土砂崩れで4歳の子供1人を含む4人が死亡。6人が救出されたが、8人が行方不明になっている。
アウキミン知事は11日に同市を訪れ、同市内の貯水池は1日で35%から100%に達しており、満杯となるまでは水門を閉ざしていたサンパウロ州水道公社もやむなく水門を開いたと釈明した。
集中豪雨の被害は死者が出ていない市でも報告されており、少なくとも30市で洪水や停電、倒木といった被害が出た。
サンパウロ州での雨は11日も続いているが、強い雨を降らせた雲はリオ州方面に移動しているという。