東海大学の学生らが中心になって活動する外国人児童の支援団体「ベイジョ・メ・リーガ」のメンバーら10人が、第5回ブラジルスタディーツアーのため先月26日から当地に滞在している。
「ベイジョ―」は2009年に発足。在日ブラジル人を中心とした、外国籍児童の学習支援や多文化交流イベントを実施している。同ツアーはメンバー自らがブラジル現地を訪れることで、見聞を広めることを目的に定期開催している。
10日の来社までにセアラー州の漁村、麻州都クイアバを訪れた。電気電子工学科の上野大樹(たいき)さん(19、広島)は、「初めは人と会う度にハグをする文化に戸惑ったが、一度のハグによって心がパッと開かれたような感覚を覚えた。日本人同士にはない心の距離感だが、外国人との触れ合いには心の距離を近くして接することが大切だと実感した」と、驚きと手ごたえを口にした。
また3度目の来伯という国際学科の上田祐華(ゆか)さん(23、東京)は、「これまでの滞在は文化の多様性に驚いてばかりで、日本に持ち帰っても整理しきれず苦労した。今回は見たもの、感じたものの内、日本で生かせるものを精査したい」と意欲を語った。一行は15日に離伯する。
引率する国際学科の小貫大輔教授は88年から5年間のボランティア、JICAの産婦人科事業(96~01年)などを通じブラジルと関わってきた。「日本国内の外国人児童支援は課題が多い。若い学生らにはブラジル現地の空気に触れることで、問題解決に役立ててほしい」と願った。
今日12日には、同教授らが発起して28年前に初開催した『第23回モンテ・アズール日本祭り』に運営協力する。モンテ・アズール・コミュニティ協会(Av. Tomas de Sousa, 552)で午前11時から午後4時まで、入場無料。最寄駅はジョヴァンニ・グロンキ。
飲食店エスパッソ和などを展開するヤマト商事(高木和博社長)などから寄付が寄せられた。日本風のソース焼きそば、天ぷら、お好み焼きなどの日本食が販売され、サンベルナンド天竜和太鼓らの実演、書道や着物のワークショップなど盛りだくさんの内容となっており、メンバーらが来場を呼び掛けている。
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今日開催のモンテ・アズール日本祭りに運営協力する東海大の学生ら。中々国際色豊かなメンバーで、当地でのボランティア経験者や、半年間タイに滞在経験のある学生も。極めつけはサウジアラビアからの留学生、機械工学を専攻するアルバルカウイ・マジデさん(21)だ。初来伯に「言葉も食べ物も似ていて驚き」。同大には留学生も多いようで、日本で国際化が進む大学の一つといえそう。