13日、サンパウロ市パウリスタ大通りをはじめ、全国規模でジウマ大統領の罷免を求める抗議行動(マニフェスタソン)が起きた。ダッタフォーリャによれば、パウリスタ大通りでの抗議行動参加者は過去最大規模となる50万人を記録したほか、全国で360万人が参加したと、14日付伯字紙や各紙サイトが報じている。
マニフェスタソンは全国27州と連邦直轄区で行われ、14日付G1サイトによると、参加した都市は300以上に及んだとされている。昨年もほぼ同時期の3月15日にジウマ大統領への抗議デモが行われ、全国で240万人の参加を記録したが、今回の360万人はそのときの約1・5倍で、ジウマ大統領退陣を求める声が一段と強まっていることを裏付けた。
パウリスタ大通りでの抗議行動には50万人が参加(ダッタフォーリャより、軍警発表は140万人)した。これは、昨年3月15日に記録した21万人の2倍以上で、サンパウロ市での抗議行動では過去最高だった1984年4月16日の「ジレッタス・ジャー」の40万人も上回った。「ジレッタス」は、軍政末期に大統領選での国民の直接選挙を求めた政治運動で、同市中央部のセー広場が群集で埋め尽くされた。
また、コーロル大統領罷免を求め、1992年8月25日に行われたデモの参加者は8万人だから、その6倍以上の数字となる。
パウリスタ大通りやブラジリアなどでは、昨年8月のラヴァ・ジャット作戦第17弾の作戦名でもある「ピシュレコ」という名の囚人服姿のルーラ前大統領の大型人形や、「罷免」と書かれた襷(たすき)をかけたジウマ大統領の大型人形がデモ行進の象徴的な存在となった。ピシュレコは「賄賂」や「汚い金」を意味する言葉で、囚人服のルーラ人形は昨年来、抗議行動ではおなじみとなった。ジウマ氏の方は「嘘つき」を意味する長鼻人形が、「罷免」の襷がけに変わった。
特に今回は、ルーラ氏が11日にグアルジャーの高級三層住宅に関する資金洗浄と名義人詐称の容疑でサンパウロ州検察局から逮捕状請求を出された直後だっただけに、同氏への風当たりが強かった。
また、ラヴァ・ジャット作戦を管轄するパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事を英雄視する参加者も多く、同氏の写真を使ったTシャツを着用したり、「私たちはモロだ」という看板を掲げたりする人も多かった。
この日予定されていた労働者党(PT)関係者によるジウマ氏、ルーラ氏擁護のマニフェスタソンは、武力抗争になる恐れがあって事前に禁止されたため、抗議活動は平和裏に終わったが、親PT派の一部は同日、大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポにあるルーラ氏の自宅前に、PT党旗や「クーデターは許さないぞ」と書いた垂れ幕を持って集合。ルーラ氏がそれをベランダから見守る光景が見られた。
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