世界中に広まったジカ熱への恐れは、ブラジルへ観光客の足を遠のかせていると13日付フォーリャ紙が報じた。
同紙が行ったブラジル国内10の大手旅行代理店への聞き取り調査によると、七つの代理店が、今年に入って、2~3の団体客のキャンセルを受けた事を明らかにした。総計579人がブラジル行きをキャンセルした計算になる。
キャンセル客はリオデジャネイロ、サンパウロ、レシーフェ、フォス・ド・イグアス、マナウスなどへの航空便やホテルも予約していたが、ジカ熱拡大と、同病感染によって胎児に小頭症が起きるリスクが高まるというニュースが世界を駆け巡った事で、ブラジル行きを取りやめた。
旅行会社関係者らは、キャンセルの件数もブラジルを訪れる人数と比べたら取るに足らないと語った。ドル高レアル安も国外からの観光客には優位に働いている。
しかし、旅行代理店職員は、年の半ば(北半球の夏)の旅行シーズンで南米に来るつもりだった観光客の頭から、ブラジルの名前は消えつつあると語った。影響は限定的だと語るものの、この傾向が長引く不安も捨てきれない。
例えば、90人のポルトガル人観光客が3月のレシーフェ行きをキャンセルし、40人のアメリカ人観光客が5月に予定されていた、リオ、マナウス、イグアスへの旅行をキャンセルした。60人のイラン人、18人のマレーシア人も同様だ。
旅行代理店によると、8月のリオ五輪への客足に影響が出るかどうかはまだはっきりしていないという。
国際五輪委(IOC)と提携の旅行代理店で、オリンピックの時期に合わせたパックツアーに力を入れているTAMヴィアージェンスは取材に対し、ジカ熱による、ブラジル回避の動きはまだないとしている。
その一方、ジカ熱の感染拡大などを受けて業務上の方針変更などを行った会社もある。レンタマル社では、メキシコからリオに来る職員の一部は虫除けを持参し始めているといい、多国籍企業の職員向けの国外旅行を手がけるハヴァス社関係者は、国際的な旅行会社の協会の会合で、この夏はブラジル行きの旅行の手配が減っているとの話が出ていたという。