被災地はまだ〃泥沼〃の中=サンパウロ州を襲った豪雨から3日=5年前の教訓活かされず
【既報関連】10日から11日に大サンパウロ市圏を襲った大雨は計25人の死者を出したが、大雨から3日経っても復旧には程遠い被災地の様子や、サンパウロ州が公約した治水対策が遅々として進まない様子を14、15日付伯字紙、サイトが報じた。
カイエイラス市のローゼ・ソウザさん(49・商店主)はいまだに〃泥沼〃の中にいる。10日夜、大サンパウロ市圏を襲った大雨は、11日未明の水門開放で濁流と化し、彼女の唯一の生活の糧である軽食堂を流し去った。この雨と水門開放による濁流は、14日未明に発見された老女もあわせ、計25人の命を奪った。
ローゼさんは大雨から3日経った14日も、カイエイラス街道沿いにある店に入り込んだ泥をかき出していた。道路を覆い、店になだれ込んできた水は、13日になってやっと引いた。
「去年は節水、節水と口やかましかった州政府が、今回は水が溜まりすぎたといって、前触れもなく水門を開け、頭上から一気に水を浴びせた」と自嘲気味に語る。
10日夜からの雨で、ジャケリ川上流にあるカンタレイラ水系のパイヴァ・カスロト貯水池の貯水率は、35%から99%に急上昇した。このため、サンパウロ州水道公社(Sabesp)は12日未明、下流の町に通知後、貯水池の水門を開けた。
雨どい設置を生業とするリシェーリ・コウチーニョさん(30・商店主)の店も、商品が全て流された。水は二階まで達し、パソコンや道具、機械類、4台の車まで破損した。被害総額は10万レアルに上る。
ジェラウド・アウキミンサンパウロ州知事(民主社会党・PSDB)は、カイエイラス渓谷にあるフランコ・ダ・ローシャ市が大洪水に見舞われた11年3月に遊水池を四つ造ると約束したが、5年後の今も一つも完成しないまま、悲劇が起きた。
「四つの内二つは用地取得が終わり、一つはまだ。もう一つは二つの自治体にまたがっているため、サンパウロ州政府の助けが必要。二つでも出来ていれば6億リットルが一時的に放流でき、洪水の被害もかなり軽減できたのだが」と、フランコ・ダ・ローシャのキコ・セレグイム市長は嘆いた。
同市では今回の雨で少なくとも200世帯が行き場を失い、大サンパウロ市圏全体では土砂崩れや洪水で25人が命を落とした。