【既報関連】「ルーラ前大統領、官房長官就任へ」の報は国民の怒りを引き起こし、16日夜からはそれに反対するデモが各地で発生したと17日伯字各紙が報じた。
ブラジリアでは16日夜、5千人(軍警発表では1万人)もの人が三権広場前に押しかけ、大統領府前でルーラ前大統領の逮捕を求める声をあげた後、連邦議会前に集まった。
「3・13デモ」とは違い、「ルーラ、官房長官へ」の報から即興的に発生したデモは、16日は7州と連邦直轄区のみだったが、17日には15州と連邦直轄区に拡大した。軍警は、16日はブラジリアでは1万人、サンパウロ市では5千人がデモに参加したとしている。
大統領府前でのデモは16日午後5時頃から始まり、街宣車も出て、PT政権反対と、ジウマ大統領罷免、ルーラ前大統領逮捕を求めて声をあげた。デモ隊からはセルジオ・モロ判事を称える声もあがった。
ルーラ前大統領の官房長官就任をジウマ大統領が強行する気運が高まる中、セルジオ・モロ判事は16日午後、ルーラ前大統領とジウマ大統領の間で交わされた、逮捕逃れをにおわせる会話の盗聴記録を公開した。
それをきっかけに国民の反ジウマ、反ルーラ感情はさらに高まり、ジウマ大統領は16日夜、22日の予定だったルーラ氏の官房長官就任式を、17日朝10時に前倒しすると発表した。
それを受け、国民は抗議デモを激化させた。サンパウロ市パウリスタ大通りでのデモは16日夜から17日朝まで続いた。17日午前10時にブラジリアで就任式が強行されると、サンパウロ市を始め全国各地で、鍋たたき(パネラッソ)や車のクラクションを鳴らしての抗議(ブジナッソ)が発生した。
17日午後3時の段階で反政府デモが起きているのは、連邦直轄区、サンパウロ州、アマパー州、ミナス州、麻州、南麻州、南大河州、ロンドニア州、エスピリトサント州、ペルナンブッコ州、リオ州、サンタカタリーナ州、ロライマ州、政府支持のデモはセアラー州とパライーバ州、南大河州、連邦直轄区で起きている。
タグ:PT ルーラ 写真ニュース ジウマ大統領 セルジオ・モロ