【既報関連】現行の政治危機は金融市場に株高の形をとって現れ、投資家のジウマ大統領退陣への〃備え〃又は〃期待〃を表していると18日付伯字各紙が報じた。
17日のサンパウロ市平均株価指数(Ibovespa)は、前日比6・6%高の5万913・79ポイントで、09年1月2日以来、最大の上げ幅を記録した。17日のブラジル株式市場の上げ幅は、世界でも最大を記録した。2位は、3・4%高のアルゼンチンだった。
17日はドル安も進み、終値は2・55%ダウンの1ドル=3・64レアルだった。
17日の株式市場は取引開始と共に、「熱にうなされたような」上げ相場となった。主要因は、16日にモーロ判事が、ジウマ大統領とルーラ氏との間で交わされた、逮捕逃れのための官房長官指名ととれる電話での会話の傍受テープを公開したことだ。
ブラジリア連邦地裁がルーラ氏の官房長官就任を差し止めたことや、下院でのジウマ大統領罷免決議案検討のための特別委員会開設への動きも株高要因となった。
これらの動きに輪をかけたのはコモディティの国際価格の上昇や他の通貨に対するドル価の低下で、17日のブラジル株の上昇は、国外からの投資資金が大きく流入したことで始まった。投資顧問会社「ガイド・インベスティメント」のイナシオ・クレスポ・レイ経済分析官は、「16日のNY株式市場が4営業日続伸し、2カ月ぶりの高値をつけたことも、国内市場に影響した」と分析している。
現在の市場は楽観的な見方が主流だが、専門家達はブラジル経済の先行きは依然暗く、ジウマ大統領が退陣しても、短期間で経済が急速に回復するのは難しいと見ている。
株式市場の動きでいえば、株価は各企業の業績を反映するため、先行見通しは限定的だ。当面の株価は、政治的、経済的な動きに左右され、浮き沈みを繰り返すと見られている。
尚18日の株価とドルの動きは、午後3時現在で、1ドル=3・59レアル(1・37%ダウン)、Ibovespaは5万498・14ポイント(0・82%ダウン)となっている。