ホーム | 日系社会ニュース | 西森ルイス下議=日系議員でLJ作戦対象いない=いまこそ真面目さで貢献=「今は変換、浄化の時」
18日に訪日する交流使節の皆さん。右からウイリアン・ウー下議、セルソ・ルッソマノ下議、4人目が梅田邦夫駐伯日本国大使、6人目が西森下議
18日に訪日する交流使節の皆さん。右からウイリアン・ウー下議、セルソ・ルッソマノ下議、4人目が梅田邦夫駐伯日本国大使、6人目が西森下議

西森ルイス下議=日系議員でLJ作戦対象いない=いまこそ真面目さで貢献=「今は変換、浄化の時」

 「モーロ判事から逃れて特別待遇を受けるためにルーラを官房長官にするなんて狂気の沙汰。そんなことまでするから、政治家全体への不信感が高まる」。西森ルイス連邦下議(PR=共和党、66、二世)に電話して、ラヴァ・ジャット作戦に伴うルーラ官房長官就任などの大混乱の政界に関して話を聞いた。
 外務大臣や文部科学大臣などを歴任した町村信孝衆議(まちむらのぶたか、自民党、1944―2015年6月没)がなくなる半年ほど前、西森下議は会った。その時、「ブラジルも今大変だろうが、どこの国にもそういう時期がある。日本もそれを乗り越えたから今がある。ブラジル国民がこれを機に変っていけば、これから絶対に良くなる」と励まされた。
 同衆議の父・町村金五氏は、第2次田中角栄内閣(1972年~)の自治大臣、ブラジル通で知られる。まさにこの74年に同首相は来伯してセラード計画の端緒を作った。パラナ州の日系人や農業者を中心に支持を集める西森下議には、関係の深い人物だ。
 全伯で360万人が参加する未曾有の大抗議行動が13日に行われたことに関し、「ブラジルがデモクラシーの国になった証拠。もの凄い人数が参加した。16年間のPT政権への市民の不満が爆発した。悪いことをした人はちゃんと自分の罪の償いをしてほしい」と強い賛同の意を示した。
 西森下議が所属するPRは現政権与党だが、元々はPSDB所属であり、考え方は野党に近い。ジウマ大統領をはっきり批判する。「ジウマは2回連続で日本行きを土壇場でキャンセルした。国際的な常識がある人なら、そんなことはできない。日本がブラジルにどれだけ貢献しているかを分かっていたら、絶対にできない」。
 大統領罷免委員会が17日に設置されたことに関し、「リオ五輪までにインピーチメントが終わる可能性は十分高い。そうなればテメル副大統領が昇格。加えて、もし最高裁で正副大統領のシャッパごと無効化されたら再選挙になる。その間、クーニャ下院議長が暫定大統領」。とはいえ、下院議長も罷免される可能性大だ。
 10月の地方選挙には「大きな影響がある。国民は投票する前にもっと考えて、真面目な議員の必要性を再認識すると思う。今回の選挙を機に、新しいブラジルが生まれてくると期待している」とのべた。
 「日系議員でラヴァ・ジャット作戦に引っかかっているものは誰もいない。汚職政治家をまとめてキレイにしてほしい。今は変換、浄化の時。その後には、もっと真面目なちゃんとした政治家がきっと選ばれる。その時こそ、我々の出番」と意気込んだ。
 西森下議は18日から一週間、計30人の交流使節団を従えて訪日する。うち、9人が下院議員で一人が上院議員。農業、経済など各方面との交流を行い、当地への投資を呼びかける。