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国連特別報告官=ブラジルでの調査活動を総括=先住民族の権利保護後退を憂慮

 先住民族の権利に関する、国連の特別報告官ビクトリア・タウリ・コルプス氏は、ブラジルが過去8年間で「先住民族の権利を保護する上で極めて憂慮すべき後退」を記録したと述べた。
 ビクトリア報告官は、ブラジルでの任期を終えるにあたってまとめた報告書の中で「政府が断固たる行動を取らない限り、先住民族の権利が侵害されるという傾向は止まらない」と記した。
 先住民族の権利を保証し、状況を改善するために同氏が示した案の中には、先住民族の権利に関わる政策や法、プロジェクトの制定の際は公聴会などを開い、事前に意見を聞いて、権利の保障に務める事の他、先住民族のリーダーシップの保護や先住民族を殺害した事件の完全捜査、先住民保護区の制定、様々な障壁を取り除くための努力、国立先住民族保護財団(Funai)を対象とする予算削減の見直しと強化などが盛り込まれている。
 ビクトリア報告官は10日間のブラジル滞在中に、連邦直轄区や南マット・グロッソ州、バイア州、パラー州を訪れ、連邦政府や州政府の関係者や50以上の種族の代表らと会談した。今回の訪問の目的は、先住民族が直面している主な問題が何かを知り、前任者のジェームス・アナヤ報告官が2008年に要請した事柄が実行されているかを確かめる事だ。
 ビクトリア報告官によると、「ブラジルは憲法などの面で、先住民族の権利を保障するための備えができているが、現在の先住民族は1988年の憲法制定以来、かつてないほど危険な状況に置かれている」という。
 例としてあげられたのは、先住民保護区の制定が滞っている事や近年の殺人・暴力事件の増加、頻発する脅迫事件、保健衛生面や教育、社会保障などの面でのケアの不足などで、具体的には、先住民族の子供の不当な養子縁組や新生児、幼児の死亡率の高さ、アルコール中毒の患者の増加などが提示された。
 また、ベロ・モンテの水力発電所建設などのメガ・プロジェクトが先住民族の権利や環境に与えるネガティブな影響にも言及した他、法定アマゾンのように先住民保護区が制定されている地域でさえ、保護区への侵入や不法な資源採掘、森林伐採が増えて、先住民族の生活を脅かしていると警告している。
 また、Funaiの存在や先住民族向けの特別な保健衛生、教育、社会保障のプログラムを設けようとするといった努力を賞賛すると共に、キロンボやリベイリニャと呼ばれるコミュニティとの連警を確立し、自分達の手で先住民族保護区を制定するなどの形で先住民族の権利の保護を訴えている民間団体や先住民族同士の活動を大きく取り上げている。(19日付アジェンシア・ブラジル及び20日付フォトス・プブリカスより)

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