18日、現政権、労働者党(PT)支持グループによるジウマ大統領罷免反対を訴えるデモが、全州都を含む、少なくとも45市で発生したと19日付伯字紙が報じた。
最大規模のデモはサンパウロ市中央部パウリスタ(P)大通りで行われ、ダッタフォーリャの調べでは、9万5千人が参加したとされている(軍警は、デモの参加者がピークに達した午後7時ごろ、8万3千人と発表した)。
ルーラ前大統領は官房長官就任騒動以来、初めて公の場所に姿を現し、支持者に向けて演説を行った。
ルーラ氏は聴衆に向かい、「入閣するのは(政府を)助けるためであって、無駄な争いをするためではない」と語った。聴衆たちは「(反政府陣営の)クーデターは許さないぞ!」とのシュプレヒコールで応えた。
ルーラ氏の演説後、最高裁のジウマール・メンデス氏は、ルーラ前大統領の官房長官就任を差し止めた。
P大通りでは16日のルーラ氏官房長官就任発表直後から反政府デモが発生しており、泊り込みで抗議を続ける人達もいた。しかし、18日午前9時、軍警は同日夜の政権支持派デモとの衝突を避けるため、高圧放水車や催涙ガス弾も使い、反政府デモを解散させた。
同日午後3時頃、政府支持派が集りだした。ここ数日、反政府デモ参加者が数多く集っていたサンパウロ州工業連盟(Fiesp)本部前は軍警によって警備されたが、政府支持派は強い敵意をむき出しにした。Fiespは16日から点灯していた「(大統領)罷免を!」と書かれたネオンサインを消す判断をした。
政府支持デモ隊からはジウマ大統領の罷免反対や、セルジオ・モーロ判事を糾弾する声が口々に上がった。エドゥアルド・クーニャ下院議長や報道陣もデモ隊の標的になった。
デモの中心地はサンパウロ美術館(MASP)前で、デモに賛同する団体や労組のリーダーのほか、フェルナンド・ハダジサンパウロ市長(労働者党・PT)やルイ・ファルコンPT党首といった政治家も姿を見せた。