連邦最高裁は22日未明、国家総弁護庁(AGU)が訴えていた、ジウマール・メンデス判事が下した、ルーラ前大統領(労働者党・PT)の官房長官就任差し止め撤回の要求を却下した。その裏で、ルーラ氏や連邦政府が不利になる事態は続いている。22日付伯字紙が報じている。
メンデス判事の判断撤回要求は、ルイス・フクス判事によって却下された。同判事はこの決定は「同僚判事の出した判断保護の立場から」と語ったが、訴状はほとんど読んでいないとも語っており、取り合う気もなかったことが伺える。
またAGUは20日に、メンデス判事の命令を無効にするため、ルーラ氏に人身保護令適用を求める訴状を最高裁に提出した。最高裁は同件の報告官役をエジソン・ファキン判事に割り当てたが、同判事は21日に「私は訴状を提出した弁護士のひとりの娘の名づけ親(または結婚式の証人)だから、同件の審議には不適格だ」としてこれを拒否。代わりに報告官となったローザ・ウェバー判事は、22日にその要請を却下した。
ローザ判事の名前は、ルーラ氏とジャッケス・ワギネルが4日に交わした電話盗聴記録の中で出てきた。ルーラ氏は当時、サンパウロ州検察局とラヴァ・ジャット作戦を取り仕切る連邦検察庁の捜査は重複しているとの理由で、双方の捜査を打ち切らせるよう要請していた。ルーラ氏はワギネル氏にジウマ氏からも働きかけてもらうよう要請していたが、ローザ判事はこのときも、双方の検察に対する捜査打ち切り請求を却下した。
いずれにせよ、30日以降に開かれる最高裁の本会議でメンデス判事の命令が覆らない限り、前大統領に関する捜査はパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事の担当となり、ルーラ氏逮捕の可能性は残されたままだ。
その間にも、ルーラ氏にとっては気の抜けない瞬間が続いている。連邦警察は21日、4日に行われたラヴァ・ジャット(LJ)第24弾で大サンパウロ市圏サンベルナルド・ド・カンポにある同氏の自宅から押収された書類の中から、同氏が所有者の名義を詐称し、LJに絡んだ大手建築企業のオデブレヒトやOASに改築費を自己負担させたと疑われているサンパウロ州アチバイアの別荘に関する領収書約130枚が発見されたことを明かした。
サンパウロ州検察がルーラ氏の逮捕請求を出したのはグアルジャーの高級三層住宅の件だが、アチバイアの件では売買契約書の下書きも見つかっており、同氏の所有と犯罪性が確認されれば立場はますます苦しくなる。
22日には、サンパウロ州など8州でオデブレヒトを対象としたLJ第26弾が敢行された。さらに同日は、ルーラ氏の06年、ジウマ大統領の10、14年の大統領選選挙参謀をつとめたジョアン・サンターナ容疑者が、22日か23日にパラナ州連邦地裁に起訴される見込みとの報道も流れた。
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