22日朝、ベルギーの首都ブリュッセルで起こった空港と地下鉄の無差別テロで、ブラジル籍を持つ37歳の男性も負傷した。22日付伯字紙サイトが報じている。
今回のテロでは、現地時間の午前8時(ブラジリア時間午前4時)頃にザベンテム空港で2度にわたって爆発が起きた。さらに午前9時(同午前5時)には市中央部の地下鉄マルベーク駅の車両内でも爆発が起こった。
これにより、空港で14人、地下鉄では20人がテロの犠牲となった。
空港の事故では、ブラジルとベルギーの二重国籍者でプロのバスケット・ボール選手、セバスチャン・ベリンさん(37)が、爆風で約6メートル吹き飛ばされ、床に足と腰を強く打ち付けられた。ベリンさんがその影響で大量出血し、救急隊を待つ姿は報道写真に写され、世界をかけめぐった。
ベリンさんは1978年にサンパウロ市で生まれ、ブラジル籍も持っている。米国の大学に在籍中、大学のバスケットチームに所属して活躍したこともあり、その負傷は英語の媒体でも大きく報じられた。卒業後にプロとなり、ベルギーのバスケット・ボールで活躍。同国の代表チームのメンバーに選ばれたこともある。
今回のテロは、昨年11月のパリ同時多発テロ実行犯の一人が18日に逮捕されたことに対する報復と見られ、イスラム過激派「IS」が既に犯行声明を発表している。