応用経済調査院(Ipea)と全国保安フォーラム(FBSP)が22日、2014年の国内での殺人事件の犠牲者は同年の世界中の犠牲者の13%に相当する5万9627人で、人数上は世界一になったと発表したと23日付エスタード紙などが報じた。
Ipeaの統計は2004年に始まり、犠牲者は4万8909人が5万9627人にと21・9%増えたが、人口10万人当たりの殺人事件発生率は29・1で、04年より10%低下した。
殺人事件の大半は拳銃やライフルといった火器によって起きており、都市部での事件が減った一方で、内陸部での事件は増加。最大の標的は相変わらず、黒人か混血(パルド)の青年男性だ。
調査員の一人は、「年間6万人近い人が殺されているというのは悲劇であり、国や州、市、民間団体が一体となって解決すべき深刻な問題だ」と評価した。
15~29歳の青年男性の死因の46・4%は殺人で、15~19歳の男性の場合はこの比率が53%に高まる。1980年の犠牲者の平均年齢は25歳だったが、14年は21歳で、犠牲者の若年化が見てとれる。
黒人や混血の犠牲者は10年間で18・2%増え、10万人当たり37・5となったが、白人や黄色人種、先住民の犠牲者は14・6%減り、15・6となった。黒人系の犠牲者は非黒人系の2・4倍となっている。
また、女性の場合、人口10万人当たりの犠牲者はこの10年間で11・6%増えた。
殺人事件発生率が最も高い州はアラゴアスの63・0で、セアラ52・2、セルジッペ49・4、北大河46・2、ゴイアス42・7と続く。 この10年間で殺人事件発生率が最も増えた州は北大河の308・1%で、マラニョン209・4%やセアラ166・5%、バイア132・6%、パライバ114・4%と続く。