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ジョゼ・レナート・ナリーニ聖州教育局長(右)(Ciete Silverio/A2img 14/12/2015)
ジョゼ・レナート・ナリーニ聖州教育局長(右)(Ciete Silverio/A2img 14/12/2015)

教職はストレス過剰ぎみ=多くの教員が精神を病む=年間13万件の休職許可

 サンパウロ州公立校では1日平均で372件、病気などの理由で教員を公休扱いにする許可が出されていると24日付エスタード(E)紙が報じた。
 15年は病気休職による公休許可がのべ13万6千件与えられた。サンパウロ州全体で22万人の教員がいるが、その21・8%にあたる4万8千人が少なくとも1回、病気休職を経験している。
 公休の理由で最も多いのは精神的疾患やそれに伴う行動の変化で、全体の27・8%を占める。
 教員が病気となる主な要因は、授業数の多さ、生徒との緊張関係、複数の学校で教えたり別の仕事との掛け持ちを強いられるなど、労働条件が劣悪なことだ。公休が多いため、サンパウロ州政府は常に、代替教員を確保する必要に迫られている。
 労働社会保障省が15年に発表した報告書によると、精神的疾患はブラジルが公共福祉で補助金を与えるケースの4大主要因の一つで、精神疾患による休職、離職は全ての職種で増えている。
 サンパウロ市南部のパレリェイロスで地理と歴史を教えるジョアンさん(49歳・仮名)は、11年に〃うつ〃が理由で休職した。「それ以来年に1、2カ月休むようになった」と語る。
 教員歴23年のジョアンさんは、職務における精神的圧力と、教師の指示に従わず、反抗的な児童、生徒が教員の心身を蝕むとし、「教室に入るたびに〃パニック状態〃に陥った。今の子供達は何だってやる。唾を吐きかけられた同僚もいるほど」と語った。
 サンパウロ市最南部のエリオポリスで国語を教えていたサンドラさん(52歳・仮名)は、〃うつ〃が理由で教壇を離れた。発端は04年に起きた父親の死だが、職場環境が悪化に拍車をかけた。
 サンドラさんは学校首脳との口論が絶えず、2カ月間休職した。「血圧が非常に不安定になり、医者に精神科に行くように言われた。薬の量を増やしたけど、目の前にいる生徒をまともに見ることさえ出来ない」というサンドラさんは、図書室勤務に配属転換された。
 教職は重労働である事も心身を病む理由の一つだ。「教員に要求される水準は高く、仕事量も多いのに、多くの教員は一校からの給与だけで食べていけず、学校を掛け持ちして教えている」と、労働心理学が専門でサンパウロ総合大学教授のクラウジア・ロベルタ・モレーノ氏は語っている。