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インフルエンザ=2カ月早く流行始まる=予防接種前倒しの自治体も

 今年はインフルエンザの流行が例年より早く、サンパウロ州内の私立病院では待合室を分けるなどの特別措置もとられていると24日付フォーリャ紙やG1サイトが報じた。今年流行が懸念されているのはA型(H1N1)だ。
 保健省が毎年行うインフルエンザの予防キャンペーンは4月30日から始まるが、実際には患者が急増し、昨年のキャンペーンで残ったワクチンを接種する自治体も出ている。昨年のワクチンは今年用に用意されているワクチンとは型が違うため、今接種を受けた人も再接種が必要だ。
 サンパウロ市のアルベルト・アインシュタイン(AA)やノーヴェ・デ・ジューリョ(NJ)、サマリタノの各院は、インフルエンザが疑われる患者用の待合室を分離、マスクやアルコール、ティッシュのキットも用意済みだ。
 AAではH1N1の患者こそゼロだが、3月19日までに来院したインフルエンザ患者は昨年同期比150%増の2108人。3月13~19日は、昨年同期の137人より360%増の628人だった。
 NJでは既にH1N1の患者が15人確認された。15年のH1N1患者は年間で4人だった。
 サマリタノでは、デング熱やジカ熱が疑われる患者用に確保した場所をインフルエンザ患者にも開放せざるをえない状況で、3月の104人を含む134人のH1N1感染を確認、19人が入院を必要とし、2人が死亡している。昨年同期の同型患者はゼロだった。
 サンパウロ市全体では既に、H1N1が原因と見られる重度の急性呼吸器症候群(SRAG)が35件報告され、12人が死亡。昨年同期のSRAGは4件で死者はゼロだった。
 サンパウロ州では今年、H1N1や157型を含むインフルエンザによるSRAGが191件報告され、27人が死亡。死者数は既に昨年1年間の半数を超えた。H1N1感染者最多の自治体はサンジョゼ・ド・リオ・プレットで、SRAGが82件、死者も10人出ている。