サンパウロ市では、SPcineサーキットというプロジェクトにより、3月末より市内全域に合計20のハイテク公営映画館の設置が始まると27日付伯字紙サイトが報じた。
最初の2館は30日、市内西部ブタンタン区の統一教育センター(CEU)内と、市内南部イピランガ区のメニーノスに開館する。残りの18館は5月末までに開館する見込みだ。
文化スポーツ部門調査マーケティング会社のJLeiva社の調べによると、サンパウロ市民の1割は1度も映画館に行った事がなく、低所得者層ではその割合は3割に達する。
フェルナンド・ハダジ同市市長は22日、市内東部で記者団からの質問に答えて「南半球最大の都市であるここサンパウロで、3割もの市民が1度も映画館に足を踏み入れた事がないなんて想像できただろうか。20の公営映画館、特に市の周辺区域を重点エリアとして、この現状に終止符を打たなくてはならない。映画は人の想像力を高めてくれる」と語った。
SPcineサーキット・プロジェクトで開館する20の映画館の内、15館はCEU内に開設される。その内の五つは市内東部、別の五つは南部、四つは北部、一つは西部に各々開館する。
CEU以外の5館は、中央部のガレリア・オリド内に一つ、ヴェルゲイロのサンパウロ文化センター内に二つ、シダーデ・チラデンチスの文化育成センターに一つ、イピランガ区のロベルト・サントス図書館内に一つできる。
市内東部サンマテウスに住む、CEUメニーノス2年生のマルセラ・エドゥアルダ・デ・オリベイラ君(7)は映画館開設を楽しみにし、夢見顔で「(人気子供番組)『カロッセル』の映画が見られたら嬉しいな。一回も映画館に行ったことがないから。ここが開いたら家族全員に頼んで、毎日ここに連れてきてもらうよ」と語っている。(27日付ジョルナル・ド・ブラジルより)