ブラジル日本都道府県人会連合会(本橋幹久会長)が毎年主催する日本祭り(7月8~10日、サンパウロ・エキスポ)に関し23日午後、文協ビル内の県連会議室で臨時代表者会議を行なった。赤字見込み30万レアルという状況を受け、開催の意思を改めて確認するもの。後日、同祭の市川利雄準備委員長(富山)らが取材に応じた。
ここ数年、赤字覚悟の開催が続いているが、今年は特別に雲行きが怪しい。不景気による企業スポンサー減に加え、政局混乱による連邦政府の資金助成手続きが遅れているからだ。
昨年も同額の赤字見込みだったが、最後は約7万レの黒字となった。「これまで以上に苦しいが継続したい。大不況の中、前回と同額を出してくれた企業もある。そうした期待に応えるため各県人会、ボランティア一丸で乗り越えたい」と前向きな思いを語り、関係者の支援を募った。
赤字の最大の原因は、ルアネー法申請の返答が例年より遅れている点だ。昨年は2月に連邦政府から認可が下り、総予算300万レの内50万レほどが充てられた。今年はいまだに認可が下りておらず、不況で利益を上げる企業も少ない可能性があることから、臨時会議を開き、そうした現状報告をした上で、改めて開催の賛否を協議した。
話し合いの結果、「会場費約100万レの内6割を前払いしているほか、中止とするには見えない部分の損失も大きい」との判断から開催が決定された。赤字30万レを覚悟しての実施。県連にはそれを補填できる貯金があるので、いざという場合はそれを一部切り崩す覚悟だ。
損害を最小限にするため入場券を当日23レ、前売り20レに設定。前回からそれぞれ5レ値上げした。5月には一般発売を開始する。
また議員助成(エメンダ・パルラメンタール)は今年もゼロ。公的な支援は、サンパウロ市によるメインステージの設営、州の免税プログラム「ProAC」(30万レ)のみとなった。企業によるスポンサー収入は昨年と同額を目指すが、不況のため楽観できない。
赤字対策として委員長は「入場券の販売増」を第一に考えており、「夕方以降は入場料を下げるなど工夫が必要。金曜日は学校児童などを招待しても良い。広告費を多めに充て宣伝方法も見直す」とした。会場設営を2社に任せ競わせるなど新たな試みも行なう。
概要も明らかになり、テーマ「スポーツと健康」に沿いスポーツ広場を設ける。車椅子卓球の体験や、義足ランナーとの100メートル競走を企画中だ。日本政府によるブースも昨年に続き設置される。また会場や駐車場の改修工事は順調で、前回のような混雑は起きないとのこと。
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県連日本祭りは、今年も赤字覚悟の開催に。一昨年は会場費の高騰、昨年は議員助成金が0となったことが原因だった。今年はルアネー法の認可が不透明で、汚職、政治混乱、経済不況という悪循環ときた。仕方なく入場料を値上げしたが、無料対象者もこれまでの65歳から70歳に引き上げるという。家計は火の車だが、昨年は半額や無料対象者でも、寄付だと思って一般料金を支払った者がいたと聞く。今年もきっと、そんな有志による〃ささやか〃な手助けが必要だ。
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