在サンパウロ日本国総領事館(中前隆博総領事)が17日午後、同館多目的ホールで2016年国費留学生歓送会を行なった。学部3人、研究9人の計12人の留学生が4月渡日し、日本の大学で学ぶ。
文科省国費留学生同窓会(ABMON)の山根英太郎名誉会長、OB・OGらも出席し、訪日を控えた留学生にエールを送った。
中前総領事は「先日、東日本大震災の発災日を迎えたが、いまだに避難生活を余儀なくされている人も多い」と話し、「日本にもまだ多数の問題があるが、解決に向けて努力している日本人の姿を見てきてほしい。そしてブラジルをより素晴らしい国にする糧としてもらいたい」と激励した。
サンパウロ総合大学(USP)機会電子工学科卒の矢吹健さん(25、三世)は、2013年に大阪大学に留学しており、今回の訪日では「義手のロボット化について学びたい」と話した。
USP計算機科学卒のカマダ・マルセロさん(23、三世)は、「仕事や研究の方法についてブラジルとの違いを知りたい。また家族のルーツである国を見てみたい」と意気込みを語った。
留学生の氏名、留学先は次の通り(敬称略)。【研究留学生】ベルナルド・ポルテラ・レボレード・トデスコ(立教大)、矢吹健(横浜国立大)、エリアキン・シルバ・ローザ(東京藝術大)、ギリェルメ・マサオ・コマツ(名古屋大)、エンリケ・カンポス・アフォンソ(京都大)、レアンドロ・イシオカ(東北大)、マルセロ・カマダ(北海道大)、ビットル・ロベルト・アルメイダ・デ・カストロ(東京大)、ビビアネ・カルニエ・カサロリ(東京工業大)。
【学部留学生】アントニオ・アロージョ・ディアス(東京外国語大)、マテウス・ボージャー(大阪大)、ペドロ・ネグレイロス・コレイア(大阪大)。
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4月から国費留学生が日本へ旅立つが、日本留学の魅力を発信する目的で、帰国留学生によって作られたフェイスブックページ「Ryugaku ― Estude no Japão」がある(https://www.facebook.com/estudenojapao/?fref=ts)。留学情報だけでなく、11年の東日本大震災時に留学していた学生のボランティア体験談が写真とともに投稿されている。総領事館は「日本に留学する学生の裾野を広げたい。ぜひ若い世代に知らせてほしい」と呼びかけている。