3月下旬に行われたサッカーW杯南米地区予選の2試合で共に引き分けに終わり、自動出場権はおろか、大陸間プレーオフにも進めない6位に転落したことで、ブラジルサッカー連盟(CBF)内における監督ドゥンガへの信頼は大きく揺らいでいる。
14年のW杯後に就任して以来1年8カ月、ドゥンガの地位がこれほどまでに揺らいだことはかつてなかった。協会内でもドゥンガ交代の声が日増しに高まる中ではあるが、早急の監督交代はない模様だ。
CBF内部の人物によると、ドゥンガは3月29日のパラグアイ戦に仮に敗れていた場合、解任されていた可能性が非常に高かった。
ドゥンガの戦術に一貫性がないこと、初戦で散々な出来だったダヴィド・ルイスなど、招集メンバーが結果を残せていないことが、CBF首脳をいらだたせている。
今年のセレソンは、6月の米国開催コッパ・アメリカ100周年記念大会と、8月のリオ五輪を経て、9、10、11月に2試合ずつのW杯予選が組まれている。
全18試合のW杯予選も既に3分の1を消化。今年の残り6試合で調子が上がらないようだと、いよいよ2018年ロシア行きに黄信号が灯る。ブラジルがW杯出場を逃す事になれば1930年からのW杯の歴史上初の大惨事だ。
こんな事態にCBF幹部も現場サイドも一致団結できているかと言えば決してそうではない。
デル・ネーロCBF会長は昨年来のFIFA汚職捜査の手が自身に回り、逮捕をおそれ、セレソンの国外の試合には同行さえもしていない。
監督交代を進言する声も届いていない訳ではないが、セレソンコーディーネーターのジルマール・リナルディに丸投げ状態だ。
監督を代えられるのはジルマールしかいないが、ジルマールとドゥンガは昵懇の仲で、ジルマールがいる以上ドゥンガの解任の可能性は低く、最早「誰がセレソン浮上のためのベストの人選か」という大原則にのっとった人事とは到底言えない。
頼みの大エース、ネイマールも所属クラブFCバルセロナで見せているのと同等のパフォーマンスを見せているとは到底言えず、他のポジションの人選も今のところ大きく身を結んではいない。期待に応えているのは左右の攻撃的中盤のウィリアンとダグラス・コスタのみ。
コッパ・アメリカで連携を深め、23歳以下の出場するリオ五輪で新たな戦力の発掘はなるか、9月に再開するW杯予選はいきなり上位のエクアドルとの敵地戦だ。
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