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3月30日のジウマ大統領(Lula Marques/Agência PT)
3月30日のジウマ大統領(Lula Marques/Agência PT)

ジウマ=政府行事でも罷免反対運動=「問われる責任ない」強調=請求原案弁護士は猛反論=「罪は積み重なるばかり」

 3月30日、ジウマ大統領は大統領府で行われた「ミーニャ・カーザ、ミーニャ・ヴィーダ(MCMV)」第3弾発表の際、「罷免はクーデターだ」という発言を繰り返した。罷免問題の審議準備に入っている下院の特別委員会では同日、罷免ジウマ大統領の罷免案を作成した弁護士や法学者らが「犯罪は積み重なっていくばかりだ」とし、罷免案を強く肯定する発言を行った。3月31日付伯字紙が報じている。

 MCMVはジウマ政権の看板政策とも言える大事な社会政策だが、そうした政策上大切な発表の場においても、ジウマ大統領は自身に迫り来る罷免の動きを否定し、非合法だと強くアピールし続けた。
 大統領府内に設けられた会見場では、社会運動団体など、ジウマ派の人たちが、前日に連立与党からの離脱を宣言した民主運動党(PMDB)やそれを進めたミシェル・テメル副大統領のことを「ゴルピスタ(クーデター扇動者)」と呼び叫ぶ声が飛び交い、物々しい雰囲気だった。
 こうした聴衆に対し、ジウマ大統領は「責任を問われる罪もないのに罷免を行おうとするのはクーデターだ」と自らの主張を行った。
 大統領はさらに、罷免案で問われている15年の連邦政府の粉飾会計疑惑に関し、「15年の会計報告は4月にしか出ないし、違反だと判断されてもいない」として、この件で罷免を問われるのはおかしいとした。
 一方、同日開催の下院の大統領罷免特別委員会には、罷免案作成者のミゲル・レアレ・ジュニオル氏とジャナイーナ・パスコアル氏が出席、自身の見解を表明した。
 ジャナイーナ氏は「連邦政府は罷免のことを〃クーデター〃と称して自己防衛を行っているが、政府からのクーデターに遭っているのは私たち国民だ」と切り捨てた。
 またレアル氏は、「粉飾会計は立派な重罪だ。公的銀行からの借入金返済を引き延ばして、粉飾会計を行い、財政収支の穴を隠し、嘘をつく。その結果、国債発行額は増え、利子ばかりが高くなる」と皮肉り、議員らの喝采を受けた。
 また、ジャナイーナ氏は「責任を負うべき罪は積み重なっていくばかりだ」と、この日のジウマ氏の発言を皮肉った。
 3月28日には、ブラジル弁護士会(OAB)から、粉飾会計疑惑に加え、デウシジオ・アマラル上議による「ジウマ大統領はラヴァ・ジャット作戦を妨害しようとした」との報奨付証言や、ルーラ前大統領の逮捕逃れを目的としたと見られる、ルーラ氏の官房長官指名・就任の件も加えた新たな罷免請求が提出されている。
 3月31日付フォーリャ紙は、ジウマ氏の選挙参謀のジョアン・サンターナ被告夫妻所有の会社が、14年の大統領選のとき、オデブレヒト社から受け取った現金で選挙時の諸活動に携わった企業への支払いを行っており、汚職にまつわる賄賂が裏金として使われたとの疑惑を報じている。