3月31日、連邦最高裁は、ルーラ前大統領に関するラヴァ・ジャット作戦(LJ)での捜査について、テオリ・ザヴァスキ判事がパラナ州連邦地裁のセルジオ・モロ判事に、電話の盗聴記録を含む資料全てを最高裁へ移管するよう命じた件で審理を行い、賛成多数でテオリ判事の判断を支持した。1日付伯字紙が報じている。
テオリ判事は最高裁でのLJ審理の報告官で、31日の審理では「行き過ぎた行為は捜査全体を無効にする危険がある」として、モロ判事が3月16日に録音されたルーラ氏とジウマ大統領の通話記録を公開したことを間接的に批判した。
16日に公開された通話記録は、前後関係を無視するとルーラ氏の官房長官就任は「逮捕逃れ」と取れるような内容で、ルーラ氏を官房長官に指名したジウマ氏とルーラ氏双方に強い批判が出た上、16、17日には各地で抗議行動も起きた。
テオリ判事は18日、「判事の役目は問題解決で、火に油を注ぐことではない」とし、通話記録公開は「国民の平静を乱した」と批判していた。
テオリ判事は31日も、ジウマ大統領がルーラ氏への電話で公職就任に関する要綱を送ると話した際、「必要なときに使えるように」と言った部分は、モロ判事が盗聴差し止めを命じた後の会話で、内容も「犯罪を裏付けるものと理解するのは難しい」とした。
また、ジウマ大統領やジャッケス・ヴァギネル官房長官など、地裁判事の管轄外となる、公職特権を持つ人物の通話も含まれているため、どの部分は最高裁が扱い、どの部分は地裁に戻すかを冷静に判断したいとした。
リカルド・レヴァンドウスキー判事は審理中、公職特権者に対する違法な盗聴が行われた例は過去にもあると発言した。また、連邦検察庁のロドリゴ・ジャノー長官は公開直後、ジウマ氏らは捜査対象ではなく、ルーラ氏の電話記録を追っているうちに偶然録音に入り込んで来たものとして、有効性を訴えていた。
投票は、ポルトガルに講演に出かけたジウマール・メンデス判事を除く10人の判事で行われ、ルイス・フクス、アウレーリオ・メロ両判事を除く8人がテオリ判事の判断を支持した。
一方でフクス判事やアウレーリオ判事は、「公職特権のある人が含まれていないものまでを最高裁に送る必要があったのか」と、テオリ判事の指示に疑問を呈した。
ジウマール・メンデス判事が出した暫定令中、「ルーラ氏の件(サンパウロ州グアルジャーの三層高級住宅やアチバイアの別荘に関する資金洗浄や名義人詐称の容疑)に関する判断はモロ判事に移管する」という部分は今回の審理で覆ったが、「ルーラ氏の官房長官就任差し止め」の判断はそのままだ。この件に関する審理は来週、メンデス判事の帰国を待って行われる。
ルーラ氏が官房長官に就任した場合の公職特権にはジャノー氏が疑問を呈しており、最高裁が判断することになる。
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