ホーム | ビジネスニュース | ブラジル株式=13年ぶりの月間上昇を記録=LJ、罷免の進展が主要因=政権交代を望む投資家
13年以上ぶりの月間上昇率を記録した伯国株式(参考画像)(Rafael Neddermeyer/Fotos Publicas)
13年以上ぶりの月間上昇率を記録した伯国株式(参考画像)(Rafael Neddermeyer/Fotos Publicas)

ブラジル株式=13年ぶりの月間上昇を記録=LJ、罷免の進展が主要因=政権交代を望む投資家

 3月のサンパウロ市株式市場は株式指数(Ibovespa)が16・97%上昇し、02年10月以来(13年5カ月ぶり)の上げ幅を記録したと1日付伯字各紙が報じた。
 第1四半期(1月~3月)の累積では15・47%の上昇し、Ibovespaは5万ポイント台を超えた。
 株式はこの3月、投資ファンドや金、為替などの投資部門の中でトップの上昇率を記録した。上昇率が最悪だったのはドルで、3月31日の終値は1ドル=3・5913レアル。月間では、レアルに対し、マイナス10・1%だった。
 株価を押し上げた要因は、政財界の汚職を暴くラヴァ・ジャット(LJ)作戦の進展とジウマ大統領罷免が下院で進んでいることと見られている。これは現政権が倒れて、新政権が経済浮上の道筋を開くという市場の期待を反映している。
 投資マネージャーのファビオ・コロンボ氏は「株価は常に先を見越して動く。市場は政権交代の可能性が高まったことに気付き、新政権が新たな経済回復策をとると見ている」と語った。
 3月の株式市場で一番恩恵を受けたのは、国営企業だ。ブラジル銀行は3月中に46・72%の上昇を記録。石油公社のペトロブラス(PB)は一般株で44・22%、優先株で61・87%の上昇を記録した。PB社の株価上昇には、国際的な原油価格の上昇も影響している。
 コロンボ氏は、実体経済の回復はまだ先と前置きしつつ、今後数カ月で大統領罷免が起きれば、株とレアルはさらに上昇する余地があるという。
 だが、固定金利の投資ファンドの上昇率は1・05~120%だから、口座手数料や所得税を差し引くと、現行のインフレ率と同じか下回っていると強調した。
 グラドゥアル・インベストメント社のチーフ・エコノミスト、アンドレ・ペルフェイト氏は「ブラジルの国内情勢だけを見て株式や為替で投資を行うのは賢明ではない。米国連邦銀行は利上げを行う可能性が強く、その場合、年末には1ドル=4レアル突破の可能性もある」と語った。