エスタード紙が下院議員にアンケートを行った結果、ジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免賛成の議員が261人で、現状では反対の117人の倍以上であることがわかった。正式な投票で罷免賛成が反対票の2倍以上、つまり下院全体の3分の2(342人)以上になれば、ジウマ氏の罷免審議継続が決まる。3日付伯字紙が報じている。
先の数字は、大統領府が大臣や長官職などをばら撒いて罷免阻止を図り始めた3月30日から4月2日までの4日間、エスタード紙が下議たちに直接問うた結果だ。
アンケートに答えたのは、513人の下議のうち86%にあたる442人で、「罷免賛成」が261人、「罷免反対」が117人、「まだ決めていない」が55人、「答えたくない」が9人という結果となった。
現状では党の方針として「罷免賛成」となっているのは民主社会党(PSDB)や民主党(DEM)など野党7党で計114票。一方、党として「罷免反対」を決めているのはPTとブラジル共産党(PCdoB)、中立の社会主義自由党(PSOL)の3党で、75票しか確保できない。
注目は党全体の方針として「賛成」「反対」が完全に統一されていない政党だが、これらの政党でも、現状は「賛成」が多数派を占めている。
3月29日に連立を離脱した民主運動党(PMDB)は賛成34人に対し、反対は5人で、未決定が11人。同党内のジウマ派は少なくなかったはずだが、現状では罷免賛成に勢いがある。
また、PMDB離脱後に、大統領府が連立引き止めを図っている進歩党(PP)や共和党(PR)、社会民主党(PSD)やブラジル共和党(PRB)でも現状はかなり厳しい。
大統領府はPPに教育相などの重要職務を与えるべく交渉しているが、現状では罷免賛成24人に対し、反対8人、未定10人。鉱山動力相などを打診されているPRでも、賛成16人、反対4人、未定6人だ。PSDも賛成が15人に反対と未定各6人。既に離脱を宣言したPRBは、賛成12人に対し、反対ゼロ(未定5人)で連立復帰はほぼ絶望的だ。
罷免審議へのカウントダウンは既にはじまっている。4日は元法相で現国家総弁護庁(AGU)のジョゼ・エドゥアルド・カルドーゾ長官が弁護のための書類を提出。下院特別委員会は今日5日以降、5回目の会議までに意見書をまとめねばならず、報告官は7日までに素案提示の意向だ。
特別委員会は11日未明から意見書承認手続きに入り、同日承認なら12日付官報に掲載。48時間後の15日の下院本会議で3分の2が罷免に賛成、上院がその決定を過半数で受け入れれば、その時点で大統領は最大180日間職務を離れることになる。上院はその間に特別委員会を開設して意見書をまとめた後、最高裁長官を議長として罷免審議を行うが、罷免が成立するには、3分の2の賛同が必要だ。
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