パナマにあるタックスヘイブン(TH・租税回避地)での金融取引の記録「パナマ・ペーパー」(P・P)が3日に公開され、12カ国の元首や元元首を含むVIPが保有するオフショア企業の実態が明らかにされたと、4日付伯字紙・サイトが報じた。
パナマに本社があり、世界39カ所に事務所を持つ法律事務所「モサック・フォンセカ」(MF)が1977年~2015年の38年間に行った金融取引1150万件の記録がP・Pだ。国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)や南ドイツ新聞ならびに100以上の報道機関が1年かけて分析した結果、世界200カ国以上の国の人と関係があるオフショア企業20万社の内部事情などが判明した。
オフショア企業の提供するサービスの多くは法律に従っているが、オフショア企業やそれを取り巻く銀行や弁護士事務所には、犯罪行為や脱税、政治汚職に関わる顧客とは取引しないという法律に反している例もあることが明らかになった。
P・Pには、ラヴァ・ジャット作戦(LJ)でマネーロンダリングに関与したと見なされている企業や人物の名前が少なくとも57出てくる。1月末に敢行されたLJ第22弾は、サンパウロ州グラジャウー市にあるトリプレックス(3層高級住宅)の真の所有権がルーラ前大統領である事を隠す支援をMF社が行ったという疑いのもと、MFのブラジル事務所を捜査した。
P・Pには、ニュートン・カルドーゾ・Jr下議とその父で元ミナス州知事のニュートン・カルドーゾ氏、デルフィン・ネット元財相(3人共民主運動党・PMDB)、ヴァドン・ゴメス元下議(進歩党・PP)、民主社会党(PSDB)党首だったセルジオ・ゲーラ元上議(14年没)の名前などが記されている。また、エドゥアルド・クーニャ下院議長(PMDB)やジョアン・ライラ元下議(社会民主党・PSD)、エジソン・ロボン元鉱山動力相(PMDB)やその息子で企業家のルシアノ・ロボン氏らの名前も出てくる。
ブラジル法は全ての国民に租税回避地で起業する権利を認めているが、その会社の資金の動きは、所得税の申告に反映されていなければならない。また、一定額以上の資産を国外に移すときは、中銀に報告する事が義務付けられている。
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