ゴイアス州ベラ・ヴィスタ市で馬を育成しているアントニオ・アウヴェス・ドス・サントス氏は、同市から256キロ離れたるミナス・ジェライス州アラグアリ市の食肉加工業者の業務再開で新しい収入源をえた。
というのは、これから数週間の間に、180頭いる馬の内、12歳以上で他の用途のない馬20頭をキロ1・10レアルで売却する事が決まったからだ。
サントス氏所有の「クアリテ」は、馬やヤギ、ロバの肉の加工工場2カ所に動物を提供する事を認められた、ゴイアス州からバイア州に数十カ所しかない牧場の一つだ。
ブラジル国内では馬肉の需要がないため、アラグアリの工場などで加工された肉は全て、欧州やアジアに輸出される。
2015年に輸出された馬肉は2800トンに及び、前年比で30%ふえた。15年の販売量は史上最大で、売上は750万ドルに上った。
アラグアリにある食肉加工工場プロスペリダッドは、2年前に馬の感染症が起きた牧場から4キロの地点にあり、10キロ以内の場所にある工場は操業停止という規定のために、2年間業務を停止していた。
同工場は今、1日70~80頭の馬を屠殺、部位毎に定められた基準に合わせて包装し、「ファヴァ・ブラジリアン・プライム・ミート」という銘柄で輸出している。
同社以外に馬肉加工を行っているのは、リオ・グランデ・ド・スル州サンガブリエル市にある「フォレスト」だ。両社とも経営者はウルグアイ人で、従業員は合わせても300人程度だ。
ブラジルでの馬肉生産は2008年にピークを迎え、11工場が加工した肉9900トンが輸出されていた。
ところが、2010年に欧州が屠殺前の6カ月間の養育記録提出などを義務付けた事で、仕事用の馬の養育が大半だった養育場にとって、馬の登録や検査などの経費がかさむようになった。
加工業者には動物愛護団体からの抗議も多く、行政部門からの支援もわずかだが、プロスペリダッドのサンドラ・ジョルジ理事は「私達の活動は多くの家族を支えている」と自負、フォーリャ紙の取材にも堂々と応えてくれたという。(3日付フォーリャ紙より)