昨年から今年にかけて、サンパウロ州の労働者党(PT)の市長の3分の1が党を移籍したことが明らかになり、同党への政治不信を改めて浮き彫りにしていると、5日付エスタード紙が報じている。
昨年半ばから今年の4月2日にPTから離党した市長は24人に上る。12年選挙で当選したPT市長は72人だから、実に3分の1の市長が移籍したことになる。
また、サンパウロ州内に664人いたPTの市会議員の内、28%にあたる186人が党を移籍した。
離党の原因となっているのは、ラヴァ・ジャット作戦など、PTの政治腐敗があげられている。離党した市長のほとんどは小さな市の市長だが、中には市内5番目の有権者数を誇る大サンパウロ市圏オザスコ市のような規模の大きな市も含まれている。
民主労働党(PDT)に移籍したオザスコ市長のジョルジ・ラパス氏によると、離党原因は「国政面でのPTの立場が微妙になってきた」ことだという。また、PT内部の抗争によって党内の結束が弱まり、脆弱化していることも同市長があげる原因の一つだ。
また、カラピクイバ市の次期市長候補だったアブラアン・ジュニオル市会議長も民主社会党(PSDB)に移籍した。
他方、PTと結束の強いブラジル共産党(PCdoB)も、州内有力者のジュンジアイー市長のペドロ・ビガルジ氏が社会民主党(PSD)に移籍した他、州内の市会議員80人の内、20人が党籍を変更している。