今年11月に60周年を祝う日伯文化連盟(アリアンサ)は、サンパウロ市ピニェイロス区の旧校舎を全面改築する「ピニェイロス文化センター」プロジェクトの資金集めのため、日伯一般から寄付を呼びかけている。先月29日、大城幸男(よきお)理事長が来社し、インターネットを活用した資金調達「クラウドファンディング」を始めたのを機に、さらに広く一般からの協力を呼びかけた。
ピニェイロス校は「大正小学校分校」だった伝統ある建物だが、長年活用が中断されていた。それを全面的に新築して本部兼新校舎にし、日本語だけでなく食や音楽など広く日本文化普及の場として活用するのが同プロジェクトだ。14年7月から始まり、総事業費は260万レアル。
敷地面積は751平米。和食、生け花、書道、邦楽器など日本の多様な文化体験ができるよう、大小10の教室、最大100人まで収容できる講堂、レストラン顔負けの近代的な料理講習室、視聴覚室などの設備を備える。現在1500人の生徒が在籍するが、完成すれば2千人まで受け入れ可能。
工事は今年11月の完工を目指し、7割ほどの工程が終了。60周年式典も同地で行ないたいという。その他、記念事業として日ポ記念誌の発刊も。60年の歴史を一冊にまとめ、式典に間に合わせたい意向だ。
昨年4月には、企業向けレセプションで支援を募ったが、現在の不足額は80万レほど。3月中旬からクラウドファンディング方式による寄付募集サイト(www.catarse.me/pt/project_23050)を始めた。クレジットカードを使えば10レ(約300円)から寄付が可能。分割払いや日本からの送金も行なえる。
第一弾は10万レを目標。同サイトは現在、ポ語のみだが日語版も準備中。開始1カ月に満たないが、31人から1万レ以上の募金が寄せられている。
ヴェルゲイロ校(Rua Vergueiro, 727, 5o. andar, Liberdade)、文協ビル校(Rua Sao Joaquim, 381, 6o. andar)の窓口でも現金の寄付を受け付けるという。詳細はアリアンサ(電話=11・3209・6630、メール=centrocultural@aliancacultural.org.br)まで。
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アリアンサが新校舎建設計画に対し、ネット上での募金を始めたとたん、すでに千レが4人、500レが7人などの寄付が次々に振り込まれ、滑り出しは順調だ。これからは日本側へも協力を仰ぎたいところ。幸いにも検索サイト「Google日本語版」で「アリアンサ」と調べると、一番上にリンクが現れる。人目に触れる機会も多そうなので、きちんと日本語で広報活動を展開すれば、それなりの金額が期待できるかも。
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