サッカーの王様ペレ(75)が6日、サンパウロの有力紙「フォーリャ・デ・サンパウロ」(F)本社を訪問し、独占インタビューに応じた。
その中でペレは2012年にサンパウロとニューヨークで受けた人工股関節埋め込み手術で医療ミスがあり、そのせいで昨年12月に手術する必要があったと語った。
昨年末の手術以来4カ月が過ぎ、今は痛みもなく、リオ五輪に出場する準備はできていると冗談を言うほどだった。しかし歩行には若干のぎこちなさがみられ、左手には杖が握られていた。
(以下F社とのインタビュー)
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F あなたは1950年W杯でウルグアイに1対2でブラジルが破れ、涙を流す父に「自分が優勝させる」と約束したそうですが、50年のウルグアイに対する負けと、2014年のドイツに対する敗戦、どっちがより心が痛みましたか?
ペレ(以下P) (対ドイツ1対7について)国民は笑っている。自虐的にジョークのネタにしてさえもいる。1950年当時、私は9~10歳になろうとしていた。父は友人達と一緒に試合を見て、私は友人と遊んでいた。突然静かになったので何が起きたのかと家に入ったら、ブラジルが負けて父達が打ちひしがれていた。だから僕は、父に『そんなに泣かないで、僕達がブラジルを優勝させてあげるから』と言ったんだ。あれは忘れられない光景だ。2014年の敗戦は1950年より心の痛みは小さかった。人生経験があって、受け入れる事もできたからね。ただ、ドイツ戦の直後、3位決定戦でオランダに0対3で敗れたことを忘れてしまう事もおかしいと思わないか?
F ブラジル代表監督をドゥンガからチッチに代えろとの声がありますが?
P 2人ともそれぞれ持ち味が違うが、どちらもよい監督だと思う。今は監督の座に居るドゥンガを尊重すべきじゃないか。もちろんチッチも代表監督を務める資質は充分だ。
F どうして、これまでのキャリアの記念品をオークションに出す事にしたのですか?
P 多くの選手が引退後、トロフィーを紛失してしまう。だから、考えたのさ。お金になる上に、落札した人たちが大事にしてくれるだろうから、トロフィーはなくならないってね。だから、オークション出品の申し出を受けたのさ。お金に困っての事じゃないよ。
F 今のブラジルの混乱については
P ブラジルを愛している人間なら、誰だって心配に決まっている。国民は苦しんでいる。私は世界中どこに行っても、ブラジルの汚職について聞かれる。腹立たしい事だね。
F (貴方が活躍するのは当たり前として)昔の名選手、例えばガリンシャは現代サッカーでも活躍できると思いますか?
P できるよ。ベートーベンが現代に現れたって偉大な音楽家なようにね。
F 100歳まで生きるとおっしゃっていましたが、その意志に変わりはありませんか?
P 私はミナス州、トレス・コラソンエス(「三つの心臓」の意味)出身だ。100歳になってもマラカナンでボールを蹴ってやるから、取材の準備をしといてくれよ。
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