ジウマ大統領罷免の雲行きが若干怪しくなってきたとのムードを感じ取り、6日のブラジル株式市場が2%の下落を記録したと7日付フォーリャ紙が報じた。
一方ドルは、国外の要因と、ブラジル中銀がスワップ交換(将来におけるドル買いとほほ同じ意味)をしなかったこと」との影響で、対レアルで若干の値下がりを記録した。
6日のサンパウロ市株式指数(Ibovespa)は、前日比1・95%ダウンの4万8096・24ポイントで取引を終えた。取引総額は60億2900万レアルで、前2日間と同額だったが、ジウマ大統領罷免の可能性がより高く見積もられていた数週間前よりは低い水準だ。
市場分析員によると、未だに多くの下院議員たちがジウマ大統領罷免への態度を保留している現状は、市場の先行き不透明感を増大させているという。「大統領選挙のやり直しを求める声があがりはじめたことも、政治の混乱を長引かせるという評価につながる。もちろん市場は好まない」と語るのは、ガイド・インベストメント社の戦略研究員、ルイス・グスタヴォ・ペレイラ氏だ。
市場関係者をナーバスにさせた要因の一つは、6日の進歩党(PP)のシロ・ノゲイラ党首の発言だ。(頭の記事参照)
「不確定な要素が多くなってきたせいで、一部の投資家は持ち株を売って利益確定に動いた」と語る専門家もいる。
政局が不安定なことは先物取引の金利増大も招いた。2017年1月までの銀行間預金(DI)の利率は、13・8%から13・84%に、2021年までの利率は13・99%から14・12%に上がった。
米国が金利引き上げに慎重な姿勢を示していることも、ドル安の要因となっている。米国連邦準備制度銀行(FRB)が3月半ばの会合で利上げに否定的な見方を示したことを記した議事録の公開は、米ドルの対外通貨価値の全方位的な下落を呼び起こした。