ブラジル第2の大手企業アンドラーデ・グチエレス(AG)関係者が、ラヴァ・ジャット作戦での取調べの中で、ペトロブラス(PB)などから請け負った事業で得た不正収入で、ジウマ大統領への選挙献金を行った事を明らかにしたと7日付フォーリャ紙が報じた。
選挙高等裁判所が14年選挙での不正に基づく当選無効成立の可否を審理中、しかも、不正な金の動きの有無を調査するよう指示したジルマル・メンデス最高裁判事が同高裁長官に選ばれる当日の新聞で報じられた供述は、AGのオタヴィオ・マルケス・デ・アゼヴェド元社長とフラヴィオ・バーラ元役員が2月に行ったものだ。二人は報奨付供述を行う意向を表明し、検察官に詳細な表も提出。報奨付供述は最高裁も7日に批准した。
AGが大統領選絡みで払った金は、10年が1570万レ、14年が3468万レ。10年は労働者党(PT)選挙委員会に510万レ、党本部に1060万レ、14年はジウマ氏に2千万レ、党本部に1468万レを払った。14年の場合、PTは102万5千レをジウマ氏に回した。
ジウマ氏側は、同社からの献金は全て正当なもので、選挙高裁にも届け出たというが、問題は、14年選挙でジウマ氏に献金した2千万レ中、1千万レはPBなどの公共事業に絡む賄賂だったと明言された事だ。
ジウマ氏への1千万レは、リオデジャネイロ州の石油コンビナートやベロ・モンテ水力発電所、アングラ3原発の建設という、経済活性化計画(PAC)の大型事業絡みの賄賂とされ、選挙高裁での審理に大きな影響を及ぼしうる。
AGはマラカナン、マネ・ガリンシャなどのW杯のスタジアム建設なども担当しており、これらの事業に絡む賄賂をPTや民主運動党(PMDB)に払ったという。
なお、AGは12年の市長選で2147万レ、13年も50万レをPT本部に献金している。AG関係者らは大統領選の対立候補への献金については言及していない。
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