【既報関連】サンパウロ州中心にブラジル内で猛威を振るう豚インフルエンザ(H1N1、A型インフルエンザの一種)は、今年既に、サンパウロ州だけで55人の死者を出している。例年より早いインフルの流行に、予防ワクチンを求める人々の現状を7~8日付伯字各紙が報じた。
サンパウロ市南部インテルラゴス区の私立サウゲイロ校では7日午後、ムチロンと呼ばれる互助活動で750人にワクチン接種を行った。ワクチン接種費は3歳未満が80レ、3歳以上は100レで、生徒やその両親、教職員だけでなく、同校に直接かかわりのない人も接種を受ける事ができた。
「生徒だけに接種させるのは意味がない。生徒達は社会の中で様々な人に囲まれて生きているのだから」と同校の責任者ジョアン・パウロ・サウゲイロ氏は語る。
教師のエリアーニ・トラッサトさん(41)は、7歳の娘が学校でワクチン接種を受けるのを利用して、自分と1歳の娘も接種に参加した。
ベンジャミン・リベイロ・ダ・シウヴァサンパウロ州教育機関職員組合(Sieesp)会長は、100以上の私立校が、Sieespにワクチン確保のための援助を求めていると明かした。だが、同会長によると、民間の診療所とワクチン接種を廉価で行う契約を結ぶのは難かしいという。
サンパウロ市南部の高級車BMWの販売代理店アグーリャス・ネグラスBMWは、9日の来店者にH1N1ワクチンの無料接種を行うとの広告を7日付エスタード紙に出した。
同店の従業員は1千人分のワクチンが用意されている事を明かした。「本当は車を買っていただいた方だけにしたいのですが、上司は来店された方々に分け隔てなく投与するようにと言っております」と社員の一人は語った。
5月23日大通り3033番の同店は午前9時開店だが、正午前にはワクチンのストックが切れると予想。当日は朝6時から接種希望者の行列を受け付ける意向だ。
保健省は、認可済みで使用期限内のワクチンがプロの医療従事者によって注射されるなら、違法性はないとしている。
大サンパウロ市圏内では11日より、高齢者、妊婦、幼児、出産後45日以内の母親、慢性病患者、教育関係者、先住民を対象とするSUSによるインフルエンザワクチンの接種も始まる。
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