ペルーの大統領選が10日に迫り、選挙戦も7日で打ち切られた。事前調査では、アルベルト・フジモリ元大統領の長女で日系3世のケイコ・フジモリ氏リードと8日付伯字紙が報じている。
今回の選挙は始まる前から波乱含みだった。それは、ラ・リベルタ県前知事のセーザル・アクーニャ氏や、ウマラ政権財務相のフリオ・グスマン氏らが早い段階で、選挙法違反となり出馬停止となったためだ。また、与党のペルー国民党の候補で現政権内務相のダニエル・ウレスティ氏は、低支持率を理由に3月に出馬を取りやめている。
現状の支持率1位は、野党最大の保守政党「人民勢力」の党首で2011年の選挙で2位だったケイコ氏だが、油断は出来ない。同氏の父で1990年に大統領となったアルベルト氏が2000年に罷免となった上、独裁体制を強めていた頃の弾圧が人権侵害に問われ、25年の実刑判決を受けているからだ。5日にはケイコ氏が恩赦を与えることなどを恐れる人がデモを行ったが、ケイコ氏は自身の政治と父のそれは無関係であると主張している。
ケイコ氏を追うのは前回選挙で3位、2005~06年に首相も務めた中道路線のペドロ・パブロ・クシンスキー氏と、急進左派候補のヴェロニカ・メンドーサ氏だ。
一次投票で決まらなければ、上位2人が6月5日の決選投票に進む。
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