9日に発表されたダッタフォーリャの最新調査によると、ジウマ大統領(労働者党・PT)の罷免を求める国民の声がやや落ちつき、ミシェル・テメル副大統領(民主運動党・PMDB)の罷免を求める声が高まっていることがわかった。これは3月下旬のPMDBの連立離脱と、それをクーデターと批判するPTとその支持者によるキャンペーンが効いた模様だ。だが、罷免阻止にむけての展開は依然厳しい。10、11日付伯字紙が報じている。
7、8日に全国170市2779人に行ったアンケートで、ジウマ氏の罷免に賛成する声は前回(3月17、18日)記録した68%から61%に下がった。
一方、3月29日にPMDBを連立離脱させたテメル副大統領の罷免を求める声も、ジウマ氏に迫る58%に上った。
副大統領罷免に関する質問は初めてだが、初回から罷免支持の声が高いのは、PMDBへの反感がてきめんに現れたせいだ。下院で大統領罷免審議を進めている同党のエドゥアルド・クーニャ下院議長がラヴァ・ジャット作戦に絡んで行った偽証行為ゆえに議席剥奪を望む声も、77%ときわめて高い数字だった。
また、PTが「PMDBが行っているのはクーデターだ」と訴えてきたのも功を奏したらしく、「18年の大統領選に誰を望むか」の問いには、前回調査で3位だったルーラ前大統領が21%で1位となった。前回1位のマリーナ・シウヴァ氏(持続ネットワーク・Rede)は19%で2位、アエシオ・ネーヴェス氏(民主社会党・PSDB)は17%で3位に下がったが、PSDBはジウマ大統領罷免の場合、テメル氏と組んで連立政権を作るだろうと憶測されている。
奇しくもルーラ氏は4月初旬に、PTの地盤が強いセアラー州など北東伯でキャンペーンを行っているが、同氏は14年10月の大統領選の際も北東伯でキャンペーンを行い、同地域のジウマ氏への得票を大きく伸ばしたいきさつがある。
だが、こうした状況にも関わらず、ジウマ大統領が罷免を食い止めるのは容易ではない。ルーラ前大統領は現在、自らが中心となって、連立与党の進歩党(PP)、共和党(PR)、社会民主党(PSD)に下院での罷免投票の際に党をあげて反対するように呼びかけている。また、既に離脱を発表したブラジル共和党(PRB)にも、心変わりを狙った働きかけを続けている。
だが、PPの中では先週末、数州の代表が罷免賛成に動くことを発表しており、テメル副大統領もこれらの党への接近を試みている。
さらに、先週付フォーリャ紙などが報じた、建設大手アンドラーデ・グチエレス社元社長らが、10年、14年大統領選でのジウマ氏への政治献金の一部は賄賂だったと暴露した件も、罷免反対への票を鈍らせる要因となっている。
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