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ブラジル不況=1時間毎に282人が失業=失業者はポルトガル人口並に

 ブラジルの失業者数はポルトガルの全人口とほぼ同数の1千万人に達したと10日付エスタード紙が報じた。
 毎時282人が失業して求職者の列に加わっており、今年末の失業者は1200万人に及ぶと見られている。既に失業中の人が次の就業先を見つけるのも困難になっている。「今のブラジルの状況は深刻で、農業を除いた産業分野は〃人切りの亡霊〃に怯えている。この状況は一過性のものではなく、構造的なものだ」と経済学者のジョゼ・ロベルト・メンドーサ・デ・バロス氏は語る。
 15年下半期には商業やサービス業でも人員削減が起き、失業者増加は一層顕著になった。昨年の商業部門の雇用は20万8千人分減り、10年続いた同部門での雇用増加の終焉を告げた。「解雇にも経費がかかるから、同部門はギリギリまで雇用を保とうとしてきたが、昨年後半には耐え切れなくなった。失業増加は今年も続き、22万人が職を失うだろう」と経済学者のファビオ・ベントス氏は語る。
 商業・サービス業部門の雇用減は所得や購買力の低下の結果でもある。15年の実質収入は3・7%減り、14年(1・4%減)以来、11年ぶりに減額した。今年も2・5%減の見込みだ。
 11年には〃完全雇用の州都〃と呼ばれた南大河州ポルト・アレグレも、昨年まで5・8%だった失業率は今年2月に10・1%となった。