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中南米支援、融資枠3倍=政府、米州開発銀と協調

 【共同】政府は10日、開発金融機関の米州開発銀行(IDB)と連携し中南米地域のインフラ支援を拡充したと発表した。IDBと協調して実行する国際協力機構(JICA)の融資枠を3倍の30億ドル(約3200億円)に増やし、IDBに500万ドル(約5億円)の専用基金を創設した。
 中南米は潜在的な成長力が大きい。自然災害も多発しており、日本が強みを持つ「質の高いインフラ」を整備する必要性が高いと判断した。豊富な石油・鉱物資源などを狙って勢力を伸ばす中国に対抗する狙いもある。
 JICAの融資枠は期限をこれまでの2016年度から20年度に延長し、中米・カリブ海地域だった融資対象にブラジルなどの南米諸国、メキシコも加えた。再生可能エネルギーの発電施設や災害に強い交通網、環境に配慮した上下水道施設などの整備を後押しする。
 基金は事業計画作りに使う。立案段階から日本政府が関わることで、日本企業が受注しやすい環境を整えたい考えだ。
 中南米諸国は経済発展に電力供給や都市交通網が追い付いておらず、IDBの推計によると、中南米全体で必要なインフラ投資は毎年3千億ドル程度に上るという。
 日本はIDB加盟からことしで40年になる。バハマで7日始まったIDB年次総会に合わせ、支援強化を打ち出した。