【既報関連】A型インフルエンザのH1N1が全伯規模で猛威を振るっているが、全国での死者は1週間で71人から102人に増大したと12日付伯字各紙が報じた。サンパウロ州での犠牲者は70人を占めており、2位のゴイアス州(6人)以下を大きく引き離している。
大サンパウロ市圏では、今月30日からの開始が予定されていた、公共医療機関での、妊婦、60歳以上の高齢者、生後6カ月以上5歳未満の小児への予防接種は、11日に前倒しで始まった。
保健省伝染病部長のクラウジオ・マイエロヴィッチ氏は「今年の流行は例年と比べて早く、流行のピークは来月になるだろう」と語り、768人の死者が出た、2013年並の規模の惨事になる可能性もゼロではないとの見解を示した。
インフル感染を恐れる人は数多く、大サンパウロ市圏ではワクチン接種初日となった11日、優先的な接種対象者となった人々が朝から医療機関に列をなした。観光ガイドのカイオ・ダマージオさん(27)が、9カ月の姪を抱いて、カンポス・エリゼオ区の保健所に現れたのは朝の4時20分だった。「もっと早く予防接種を受けたくて、先週も私立病院に朝の4時半に行ったが受けられなかった。本当に今回のインフルエンザを恐れている」と語った。
列はどんどん伸び、6時には20人、6時半には70人、7時には120人が並んでいた。「友人が先週風邪をひいて、強い頭痛を感じたと思ったら、3日後に亡くなってしまった」とアントニオ・アマンシオさん(68)は語る。
各保健所での大行列は、悲喜交々の光景を引き起こした。朝から並び、1時間以上待たされたと不満をこぼす人もいれば、「混む事がわかっていたから、昼に来た、すぐに接種してもらえた」と笑顔の人もいた。
アレッシャンドレ・パジーリャサンパウロ市保健局長は「ワクチンは充分な量が用意されているから安心を」と呼びかけた。
タグ:カンポス