生長の家ブラジル伝道本部(寺前継雄理事長)は10日、「第60回宝蔵大祭」「イベロアメリカ・アンゴラ・全伯第32回流産児無縁霊供養塔供養祭」をサンパウロ州イビウナ市の宝蔵神社で行い、南米諸国、メキシコ、スペイン、ポルトガルからも信徒1万2400人が参集した。この式典は同教団の年中最大行事で、ポ語圏諸国へも生中継され、インターネット越しでも広く参拝された。
強い陽射しの下、午前8時半には社前の境内や敷地内各地に設置されたテレビ画面や3基の屋外大画面の前は信徒で埋め尽くされた。講堂では前日から2日間に渡って、各地から集まった約200万柱の霊牌の名前が約500人の講師によりしめやかに奏上された。
大祭前に村上真理枝前理事長が大祭の意義を説明し、「私たちの身体、魂、心を与えて下さった愛する先祖に、心から感謝しましょう」と呼びかけると、大きな拍手が沸いた。
厳粛な雰囲気の中、寺前理事長ら全伯の幹部が宝蔵神社拝殿に入場。宮司を務める宮裏準治ラ米教化総長が入り、「1957年に私たちの主神への感謝と先祖供養のため宝蔵神社が建てられ、今回は60回目の重要な大祭。ここに祀って供養することは、何よりも先祖に喜ばれる。感謝をもって先祖供養をされる皆さんの行いは素晴らしい」と語りかけた。
宇宙浄化の祈りが捧げられ、本殿の扉が開くと、宮裏総長が祈願文と祭文を読み上げた。続いて、亡くなった講師を含む先亡者の名前を読み上げる招霊が総長によって行われ、主神に奏上された。全員で聖経「甘露の法雨」を読経、参拝者が境内の香炉に焼香した。
最後に寺前理事長が「宝蔵大祭60回目を迎えられたことを嬉しく思う。生長の家のみ教えでは、先祖供養はとても重要なものだ。私たちの命は、先祖によって代々受け継がれたものであることを忘れてはならない。この大祭だけでなく、各家庭でも感謝の気持ちで先祖へ祈りましょう」と挨拶した。
昼食休憩を挟んで午後からは「第32回流産児無縁霊供養塔供養祭」が、宝蔵神社横の供養塔で行われた。
モジ・ダス・クルーゼス在住の加藤民子さん(77、二世)は、先祖供養のために毎年参加している。「自然に活動に参加するようになった。日本から離れた地でも同じように先祖供養できる事が一番大きい」と語った。
友人同士で来場したシセラ・リマさん(57)とアニータ・デ・カシア・ゴンサルベスさん(50)は、リベイロン・ピーレスから初めての参加。以前に一度だけ近くの伝道支部を訪問しただけだという。「これから勉強したいと思った。来年も式典に参加したい」と感動した様子だった。
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生長の家ブラジル伝道本部は環境ISO14001を取得しており、環境に配慮した取り組みを行っている。今回の宝蔵大祭でも、開始前や昼食の休憩時などに何度も節水・節電・ゴミの分別を促しており、信徒もそれを守る姿が見られた。また霊牌を焼却する際にも、煙が出ない特殊な焼却方法を導入しており、焼却後の灰も環境に問題がないか専門に送ってチェックしているという徹底ぶり。普通の日系企業や団体も、こうした環境配慮の取り組みを積極的に始める時代か。